新卒の引っ越し費用はどこまでが会社負担?知っておきたい会社のルール

大学生活を終えて社会人としてスタートするときに、現住所と勤務先までの距離が遠くて引っ越しが必要になったとき、会社負担になるのか自己負担になるのかで迷いますよね。どちらが負担するのかによって依頼する業者も変わってきますし、きちんと把握しておきたいところ。

そこでここでは、新卒の引っ越し費用が会社負担となるのか、それとも自己負担になるのかについて解説し、さらに会社負担となった場合には、どこまで負担してもらえるのか、その境界線についてご紹介していきます。

会社負担になるかどうかはどちらの都合なのかによる

まずは新卒の引っ越し費用が会社負担になるのか、それとも自己負担について説明します。まず前提となるのが、どちらが負担するかを定めている法律はないということです。どちらの負担になるかは就業規則で決められていて、基本的にはそれに従うことになります。

ただし一般的にはほとんどの企業が次のような線引きをしています。

引越し理由負担別
自己都合自己負担
会社都合会社負担

これは新卒に限らず、すべての社員に適用されます。少しわかりづらいので、それぞれの例を見ていきましょう。

自己都合での引っ越し:自己負担

社員

学生時代を大阪で過ごし、東京の会社に就職するために引っ越しする

社員

通勤時間が2時間かかるから、職場の近くに引っ越しする

このようなケースが自己負担になります。東京の会社に就職を決めたのは自分の意思ですので、自分の都合で引っ越しをすることになります。この場合は、自分で引っ越し費用を捻出しなくてはいけません。

通勤時間を短くするために、職場近くに引っ越しをするという場合も自己都合となります。会社から指示があった場合は別ですが、自分の判断で行った場合には「会社のため」であっても自分で負担することになります。

会社都合での引っ越し:会社負担

A社

研修後に配属先が決まり、引っ越しが必要になった

A社

東京本社勤めで内定をもらったのに、大阪支店配属になった

A社

入社後に数ヶ月の研修期間があり、一時的に引っ越しする

このようなケースは会社が勤務先(配属先)を決めているので、会社都合ということになります。この場合には、原則として引っ越しにかかる費用は会社負担になります。ただし、どこまで負担するかは会社ごとに違います。これについては後ほど詳しく説明します。

新卒の場合は入社後に研修という形で、1〜3ヶ月くらい本社や研修センターに通うことがあります。このときにマンスリーマンションなどに引っ越しをすることになりますが、この費用はもちろん会社負担です。

ただし、このケースでは家具や家電は揃っていますので、引越業者を使うことなく、スーツケースひとつで引っ越しをすることになります。このため会社が負担するのは交通費と入居費用だけです。どうしても持っていきたい家財がある場合は、自己負担で発送することになります。

会社都合だった場合はどこまでが会社負担?

引っ越しでは様々な費用が発生しますが、会社負担となっても、それらすべてを会社が支払ってくれるわけではありません。まずは一般的にかかる費用のどこまでが会社負担になるか見ていきましょう。

内訳負担別
敷金△(会社によって判断が異なる)
礼金会社負担
仲介手数料会社負担
前家賃△(会社によって判断が異なる)
引越業者費用会社負担

礼金や仲介手数料、引越業者費用はほとんどのケースで会社負担となります。これらは引っ越しがなければ発生しなかった費用と判断されるためです。敷金は部屋を出るときに戻ってくることもあるため、会社負担にするかどうかは会社ごとに違います。

前家賃は先にまとめて払うだけで「家賃」と判断されるため、基本的には自己負担になります。ただし急な引っ越しで、旧居の家賃と二重払いになるようなケースでは、会社負担としてくれることもあります。

引っ越し費用以外で会社が負担してくれるもの

新卒が会社都合で引っ越しをする場合には、下記の費用も会社負担としてもらえます。

  • 新居までの交通費
  • 荷物が届くまでのホテル宿泊費

それぞれの費用について、もう少し詳しく見ていきましょう。

新居までの交通費

例えば東京在住で福岡配属になった場合は、新幹線もしくは飛行機などの移動費用が会社負担となります。会社ごとに判断が違うのが、物件選びのための現地入りが必要な場合の判断で、会社によってはそれらも会社負担になるケースがほとんどですが、自己負担になることもあります。

荷物が届くまでのホテル宿泊費

遠方への引っ越しで、家財が届くのに2日かかるというようなケースでは、ホテルへの宿泊費用を会社が負担してくれることもあります。ただし、自分で勝手に判断するのではなく、必ず会社に相談して、許可をもらったうえで宿泊費用を請求しましょう。

会社負担にならない費用

引っ越しで発生する費用のうち、下記は会社負担とならずに自己負担になります。

  • 会社が不要としたオプション
  • 移動中の飲食代
  • 新生活で必要となる家具や家電の費用
  • 旧居のハウスクリーニング代や修繕費
  • 就業規則を超える引越業者費用

会社が不要としたオプション

引越業者費用のうち、会社が認めてくれないオプションは自己負担になります。どこまで認めてくれるかは会社によって違いますが、ピアノや車の運送費、電気工事などは自己負担になることもあるので、事前に確認しておく必要があります。

移動中の飲食代

引っ越しで発生した費用を会社負担にできるなら、新居への移動中の飲食代も会社負担にできるのでは?と思うかもしれませんが、食事は引っ越しがなくても発生するものですので、自己負担になります。

新生活で必要となる家具や家電の費用

これまで実家暮らしだった場合には、引っ越しをするときに家具や家電を買い揃える必要がありますが、これらは自分の家財になりますので自己負担になります。揃えるだけのお金がない場合には、レオパレスのような家具・家電付きの物件に引っ越しましょう。

旧居のハウスクリーニング代や修繕費

旧居を引き払うときに、通常使用の範囲を超えて部屋が汚れていた場合、ハウスクリーニング代や修繕費を請求されることがあります。これらは引っ越しがなくても、いずれ払わなくてはいけない費用ですので自己負担となります。

就業規則を超える引越業者費用

ほとんどの会社が就業規則で、引越業者費用の上限を定めています。この上限を超えた金額は自己負担となります。3月4月の繁忙期に、遠方へ引っ越しをする場合には高額な引っ越し料金になり、就業規則で定められた金額を超えることもあるので気をつけましょう。

会社負担で引っ越しをするときに気をつける3つのポイント

会社負担で引っ越しをするとなったときに、気をつけたいポイントが3つあります。どのような点に注意すればいいのか見ていきましょう。

就業規則がすべてで例外は認められない

どこまで負担してくれるかは就業規則で決められており、原則として就業規則の例外は認められません。理不尽に感じるところもあるかもしれませんが、それが会社組織に属するということです。個別の事情を考えて対応してくれる会社はほとんどありませんので、就業規則に従いましょう。

ただし困ったことがあるなら、まずは相談してみることです。自己負担分が発生するけど、それを払うお金がないというのは珍しいことではありません。そういう場合には、自分でなんとかしようとせず、まずは新卒の担当者に相談してみましょう。

会社指定の引越業者しか利用できないことがある

引っ越し料金を会社負担にする場合、指定の引越業者しか利用を認めてもらえないというケースがあります。指定業者がある場合には、会社からきちんと説明があるはずですが、説明がなかったとしても「指定業者はありますか?」と確認しておきましょう。

発生した費用はすべて領収書をもらっておく

会社では発生した費用を請求するのに、必ず領収書が必要になります。引っ越しで発生した費用はすべて領収書を出してもらいましょう。カード払いした場合で領収書が出ない場合には、見積書や利用明細書のコピーを用意してください。

領収書の宛名は自分の名前ではなく、会社名になりますので気をつけてください。出費を証明する書類をどこまで揃えるかも会社ごとに違いますので、こちらも事前に確認しておきましょう。

自己負担になったときに引っ越し費用を抑える方法

引っ越し費用が自己負担になってしまった場合には、できるだけ出費を抑えたいですよね。ここでは引っ越し費用を抑えるための方法をご紹介します。

  • 敷金・礼金ゼロ物件を選ぶ
  • 専用ボックスを使った単身引越プランを利用する
  • 引越し一括見積もりサイトを使って相見積もりにする

引っ越し費用を抑えたいのであれば、この4点を頭に入れておきましょう。それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

敷金・礼金ゼロ物件を選ぶ

引っ越し費用で大きいのは敷金と礼金です。7万円の家賃で敷金と礼金がそれぞれ2ヶ月になっていると、それだけで28万円もかかります。これに仲介手数料や前家賃も追加されます。お金がないなら、家賃の安い物件を選ぶのはもちろんのこと、敷金・礼金ゼロの物件を選びましょう。

最近はフリーレントといって、最初の数ヶ月無料にしてくれる物件もあります。賃貸物件を探すときに「初期費用をできるだけ抑えたい」と伝えて、該当する物件を紹介してもらいましょう。

専用ボックスを使った単身引越プランを利用する

もし家財がそれほど多くないのであれば、専用ボックスを使った単身引っ越しサービスを利用しましょう。運べる荷物に限りがありますが、遠方への引っ越しでも格安料金で対応してもらえます。

これらのプランは既存の流通ネットワークを活用して荷物を運ぶので、繁忙期でも引っ越し難民にならずに済むといったメリットもあります。急な引っ越しでも対応してもらえますので、荷物が少ない人は専用ボックスを使った単身引越プランを利用しましょう。

荷物多い一人暮らしの格安で引越しする方法5選はこちら

家具なしの単身引越しが激安になるについてはこちら

引越し一括見積もりサイトを使って相見積もりにする

専用ボックスを使った単身引越プランは運べる荷物に限りがあり、誰でも使えるわけではありません。もし通常の引越プランを使って、格安料金で荷物を新居まで運んでもらいたいなら、引越し一括見積もりサイトを利用しましょう。

1社だけに見積り依頼をすると、どの業者も相場以上の金額を提示してきます。交渉すれば値引きもしてもらえますが、社会人経験のない新卒だと値引きしたと見せかけて、相場よりも高い金額で契約するなんてこともあります。

引越し一括見積もりサイトを使えば相見積もりの状態になるので、どの業者も他社に負けないために最初から自社に出せる最安値を提示してきます。交渉することなく引っ越し料金を抑えることができますので、お金がなくて困っているならぜひご活用ください。

引っ越し一括見積もりサイトの見積もりについて詳しく知りたいという方は次の記事が参考になるはずです。

引越し一括見積もり11社を徹底比較はこちら

まとめ

新卒で引っ越しが必要になったときに、費用を会社負担となるかどうかは、引っ越しが自己都合なのか会社都合なのかによって違います。会社の指示で引っ越しをする場合には、ほとんどの会社が会社都合で引っ越しさせてくれます。

ただし、法律で決まっていることではなく、会社都合にもかかわらず自己負担になる会社もあります。どこまで負担してくれるかも含めて就業規則で決められており、例外が認められることはほとんどありません。

もし自己負担になるのであれば、賃貸物件の初期費用を抑えるために敷金・礼金ゼロの物件を選び、荷物が少ないなら専用ボックスを使った単身引越しプランを利用し、荷物が多いなら引越し一括見積もりサイトを使って業者選定を行いましょう。

それでもお金が不足しそうなら、会社の新卒担当者に相談してみてください。これまでも同じようなことが発生しているはずですので、なんらかの対応方法を提案してもらえるはずです。仕事の基本は「報・連・相(報告・連絡・相談)」。自分で判断せずに相談するのがおすすめです。