狭い階段がある引っ越しの4つのリスクと対処方法!新居に家財を運べない?

引っ越しをすることになったものの、新居を内見したときには狭い階段に気づかず、引っ越し直前になって、大きな家具や家電を搬入できるか不安になっている人もいるかと思います。そもそも自宅から家財を搬出できそうにないという人もいますよね。

そこでここでは、狭い階段のある物件で引っ越しをするときに、家財を階段から搬出や搬入できない場合にどうなるのかについて解説していきます。狭い階段を使って家財の搬出や搬入をするときのリスクや、その対処方法についてもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

狭い階段を通せないときの対処方法3選

まずは狭い階段を家具や家電を通せなかった場合に、どのような対処方法があるのかについて解説していきます。基本的な対応は下記のいずれかになります。

  1. 家具を分解して運び込む
  2. ベランダや窓から搬入する(クレーン車・吊り作業)
  3. 搬入を断念する

それぞれの対処方法について、詳しく見ていきましょう。

家具を分解して運び込む

ベッドや本棚のように分解できる家具の場合には、家具を分解して新居に運び込みます。分解すればコンパクトになりますので、階段がどれだけ狭くても問題なく新居に運べます。ただし、引越業者によってはオプション対応になり、追加費用が発生する可能性もあるのでご注意ください。

また組み立て式の家具でもIKEAの家具のように、引越業者が再組み立てNGとしているものもあります。この場合は自分で分解や組み立てをするか、対応している引越業者に対応してもらう必要があります。下記ページでIKEAのベッドを分解する方法について解説していますので、組み立て式の家具がある場合は参考にしてください。

イケアの家具ベット引越し業者5選!解体組み立ては自分でやる?業者に任せる?

ベランダや窓から搬入する(クレーン車・吊り作業)

分解できない家具や大型家電があり、どうしても狭い階段を通せない場合には、ベランダや窓から搬出・搬入することになります。1階ならわかるけど、2階だとどうするの?と疑問に感じるかもしれませんが、引越業者は人力で家具や家電をロープで吊って、搬出・搬入を行います。

3階や4階になると、人力で家具や家電を吊って運搬するのはとてもリスクが高いため、一般的にクレーンを使って家具や家電を吊ります。いずれのケースもオプションとなっており、見積金額に含まれていない場合には、高額な追加費用が発生しますのでご注意ください。

クレーン車を使って搬入するときの料金については別記事がございますので、下記ページをご参照ください。

引越しのクレーン料金相場はいくら?大手引越し業者6選の料金まとめ

搬入を断念する

階段が狭く、しかも近隣の住宅との距離が近くて家具や家電を吊って搬入できない場合や、マンションの高層階などでクレーンが届かないという場合には、搬入を諦めるしかありません。物理的に搬入ができないわけですので、どれだけ優秀な引越業者でも対応できません。

この場合は、引越業者と相談することになりますが、基本的にはどこかに仮置きして、回収業者に処分してもらうことになります。引越業者によっては、有料オプションで処分してもらえることもありますので、その場合にはそのまま引き取ってもらいましょう。

この家財は注意!狭い階段や玄関を通せない可能性がある

引っ越し当日になって狭い階段を通せないことがわかると、どのような対処方法を選ぶにしても追加費用が発生します。それを防ぐには、階段や玄関などを通せない可能性がある家具や家電があるか、事前に確認しておく必要があります。

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • タンス
  • 棚(食器棚・本棚)
  • ベッド
  • ソファ

これらの家財は、狭い階段や玄関を通らない可能性があります。それぞれの「幅・高さ・奥行き」を採寸しておいてください。もちろん、新居の玄関や階段を採寸しておく必要もあります。不動産会社から入手した部屋の図面を持って下見をし、それぞれの寸法を測っておきましょう。

このとき気をつけなくてはいけないのが、高さ方向の寸法です。横幅は問題なくても、階段の天井が低くて搬入できない可能性があるのでご注意ください。

ちなみに旧居からの搬出に関しては、そもそも搬入できているわけですから、あえて採寸する必要はありません。ただし搬入するときに吊り作業やクレーン車を使った場合には、きちんと引越業者にその旨を伝えておきましょう。

また室内で組み立てた大型の家具がある場合には、搬出できるか事前に確認しておき、難しそうなら分解して運んでもらいましょう。

狭い階段の引っ越し!4つのリスクと対処方法

そもそも狭い階段のある引っ越しというのは、普通の引っ越しとは違って下記のリスクがあり、引越業者も嫌う条件のひとつになっています。

  1. 家具や家電を損傷させる可能性がある
  2. 建物を損傷させる可能性がある
  3. 作業員がケガをする可能性がある
  4. 共有部の階段を他の人が通行できなくなる

それぞれの理由について対処方法も含めて解説していきますので、家具や家電を問題なく通すことができそうだというケースでも、しっかりと頭に入れておいてください。

家具や家電を損傷させる可能性がある

階段の幅が家具や家電の幅よりも広いなら、無理なく搬入できるのではないかと考えている人もいるかもしれません。ところが実際に運ぶときには、少しバランスを崩すだけで家財が壁や天井、階段にぶつかってしまうため、家具や家電を損傷させる可能性があります。

これを防ぐために、家具や家電をしっかりと梱包しておく必要があるのですが、そうすると今度は梱包状態での幅が階段の幅を超えてしまい、搬入できなくなってしまいます。これを回避するためにも、家具はできる限り分解しておきましょう。

また、技術力の高い引越業者に依頼することも重要になります。見積金額の安さだけで選ぶと、不慣れなアルバイトが運んで家具や家電が破損させるかもしれません。きちんと口コミをチェックして、信頼できる技術力を持った引越業者に依頼しましょう。

建物を損傷させる可能性がある

狭い階段で損傷するのは、家具や家電だけではありません。家具や家電を搬出・搬入するときに建物を損傷させる可能性があります。自分の家具や家電であれば損傷させても大きな問題になりませんが、賃貸物件だった場合には、損傷部を原状回復させる義務が発生します。

これを回避するためには、しっかりと階段などを養生する必要があるのですが、養生すると狭い階段がさらに狭くなりますし、引越業者によってはオプション費用が発生します。このため建物の損傷を回避したいなら、階段からの搬入を諦めて、吊り作業などで搬入する必要があります。

作業スタッフがケガをする可能性がある

狭い階段を使って大きな家財を運ぼうとすると、足元が見えなくなるため、階段から足を踏み外してしまう可能性があります。その結果、作業スタッフが転倒してケガをするかもしれませんし、足を踏み外さないように慎重に運ぶので、搬出や搬入に時間がかかってしまうことも考えられます。

引っ越し中に作業スタッフがケガをしても、依頼主側に責任はありませんが、決して気持ちのいいものではありませんよね。これを回避するにも、経験値が高い引越業者に運んでもらいましょう。料金は多少高額でも、アルバイトスタッフを使っていない引越業者に依頼してください。

共有部の階段を他の人が通行できなくなる

狭い階段がある賃貸物件で引越作業をする場合、その建物で暮らす人たちが階段を通行できなくなるなどの問題も発生します。急いで通勤しなくてはいけないのに、階段が引越荷物で塞がれているとなると、相手に悪い印象を与えてしまいかねません。

近隣トラブルを回避するためにも、引越作業前にきちんと挨拶をしておくことが大切です。迷惑をかけるかもしれないことと作業時間を事前に伝えておくことで、不要なトラブルを避けやすくなるので、面倒だと思っても、必ず近隣への挨拶をしておきましょう。

狭い階段の引っ越しは業者選定が重要

ここまでの説明で繰り返し触れてきましたが、狭い階段のある引っ越しでは、どの引越業者に依頼するのかがとても重要になります。ただ悩ましいのが、大手引越業者だから安心というわけではないという点です。

大手でもNGになる可能性があるなら、どこに依頼していいかわからないという人もいるかと思いますので、ここでは引越業者の選び方のポイントをご紹介します。

  • 営業担当の「できます」は信じない
  • アルバイトを使っている引越業者はできるだけ避ける
  • 補償について丁寧に説明してくれるかどうかを確認する

業者選定するときのポイントはこの3点です。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

営業担当の「できます」は信じない

業者選定するときには、それぞれの営業担当者に階段について話をすることになりますが、現場の確認もせずに

引越し業者
引越し業者

うちなら問題ありません

と回答する営業担当がいます。このような対応をする引越業者は基本的にNGです。いざ引っ越しをしてみると、階段から搬入ができず、現場担当者に

引越し業者
引越し業者

吊り作業になるので追加費用がかかります

と高額な費用を請求されてしまう可能性があるためです。そうならないために、下見もせずに「できます」と答える引越業者は、料金がどれだけ安くても避けてください。

  • 搬入できる根拠
  • 搬入できなかったときの対処方法
  • 追加料金

これらについて、きちんと回答してもらえた引越業者の中から、とくに信頼できると感じた業者に依頼してください。

アルバイトを使っている引越業者はできるだけ避ける

狭い階段のある引っ越しで、家財や建物に損傷を与えずに搬出・搬入するためには、経験やスキルが求められます。日雇いのアルバイトスタッフでは階段を通せないどころか、家財や建物を傷つけてしまう可能性があるので、アルバイトを使っていない業者を利用しましょう。

ただし、アルバイトを完全にNGにすると、引越業者の選択肢が限られてしまいます。このため「可能であれば」くらいに考えておいてください。

補償について丁寧に説明してくれるか確認する

どれだけ優秀な社員が運搬してくれても、物理的に階段が狭い場合には、家財や建物の損傷リスクはゼロにはなりません。このため、実際に損傷が発生したときの補償がどうなるのか、営業担当に確認しておきましょう。このときのはぐらかすような回答をするようなら、利用はNGです。

損傷トラブルが起きることを前提に、きちんと説明してくれる引越業者を選びましょう。ここで誠実な対応をしてくれない引越業者は、トラブルが発生したときの対応も誠実さに欠けます。もちろん補償内容もしっかりとチェックして、納得したうえで契約してください。

引越し一括見積もりサイトを利用するのがおすすめ

信頼できる引越業者を自分で探すのはかなり大変な作業になります。このため引越業者の選定は、引越し一括見積もりサイトを利用するのがおすすめです。引越し一括見積もりサイトは1回の申し込みで複数社に見積もり依頼できるサービスで、効率よく業者選定できます。

引越し一括見積もりサイトで条件を入力するときに、備考欄などに「狭い階段があるため対応可能な引越業者のみご連絡ください」と書いておくと、対応できない業者を最初から省けるといったメリットもあります。

さらに相見積もりになるため、引越業者が何も言わなくても値引き競争をして、引っ越し料金が安くなりやすいのも引越し一括見積もりサイトの魅力です。自分で信頼できる引越業者を探し出すのが難しいと感じている人は、ぜひ引越し一括見積もりサイト経由で業者選定してください。

まとめ

狭い階段がある引っ越しは、家具や家電を搬出・搬入ができないケースもあり、その場合には家具の分解や吊り作業、クレーン車を使用して搬出・搬入することになります。この場合はオプション対応になります。

また、狭い階段があることは事前にわかっている場合には、階段の幅や家具の大きさを採寸しておき、その採寸結果をもって引越業者に相談してください。ただし、引越業者が問題ないとした場合でも、搬入したら家財や建物を損傷させてしまうこともあります。

そうならないためにも、狭い階段がある引っ越しでは、業者選定をしっかりと行ってください。家財や建物の損傷があることを前提に、引っ越し料金の安さではなく、誠実な対応をしてくれると感じた業者に依頼するように心がけてください。