引越し時に車で冷蔵庫を運んでも平気?横に倒しても大丈夫?注意点5選を解説

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引越しの費用を少しでも抑えたいときには、マイカーやレンタカーを使って引越しするという方法もあります。このとき問題になるのが冷蔵庫。コンパクトな1人暮らしの冷蔵庫なら、縦積みできても、ファミリー用の冷蔵庫は横に倒さなくては荷室に収まりません。

ただし冷蔵庫は取扱説明書に横積みがNGと記載されており、何も考えずに運んでしまうと故障してしまう可能性があります。大切な冷蔵庫を壊してしまわないために、ここでは車で冷蔵庫を運ぶ時の注意点を詳しく解説していきます。

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冷蔵庫を横に倒してはいけない理由

それではまず、冷蔵庫を横に倒してはいけない理由について説明していきます。

これを理解するには冷蔵庫の構造を知っておく必要があります。冷蔵庫には冷却回路があり、コンプレッサーで圧縮された冷媒が凝縮器を通過することで液化され、その液化された冷媒は周囲の熱を吸収して再び気化するのですが、この熱吸収によって冷蔵庫内が冷却されます。

このコンプレッサーには、車のエンジンと同じように焼付き防止のために潤滑オイルが使われています。潤滑オイルは重たいので、冷蔵庫を縦に設置しているとコンプレッサーの下側に溜まり、冷却回路に流れることはありません。ところが冷蔵庫を横に倒すと、潤滑オイルが冷却回路に流れ込むことがあります。

潤滑オイルが冷却回路に流れ込んだ状態で冷蔵庫を縦にして電源を入れると、コンプレッサー内の潤滑オイルが不足した状態になります。さらには冷却回路内に潤滑オイルが詰まっているので、コンプレッサーに大きな負荷がかかって故障するというわけです。

もちろん、縦にしたまましばらく放置しておけば、潤滑オイルはコンプレッサー内部に戻ってくるので問題ないのですが、コンプレッサー内に完全に戻ったことを目視できず、安全確認ができないということで、メーカーは運搬中の横積みを禁止しています。

車で冷蔵庫を運ぶ時の注意点

引越しでは冷蔵庫を倒してはいけないとされていますが、実際にインターネットで検索すると、マイカーやレンタカーに冷蔵庫を横積みしている写真などがいくつも見つかります。建前としてはNGですが、実際に横積みして故障したという例は少なく、多くの人があたり前のように横積みしています。

ただ、何も考えずに横積みすると故障する確率は高くなります。冷蔵庫を壊してしまわないためにも、引越しで冷蔵庫を運ぶ時には下記の点に注意して運びましょう。

  1. 冷蔵庫は可能な限り縦積みにする
  2. 横積みにするときには冷蔵庫の上にモノを積まない
  3. 設置してから半日は電源を入れない
  4. 1人あたり25kg以下になるような人数で搬出搬入する
  5. 10年以上使っているなら買い替えがベスト

それぞれの注意点ごとに、ポイントを詳しく解説していきます。

冷蔵庫は可能な限り縦積みにする

すでに説明しましたように、冷蔵庫を運ぶときは縦積みが基本です。故障リスクを少しでも減らすために、可能であれば冷蔵庫は縦積みしましょう。荷室高の関係で、どうしても縦積みできない場合にのみ、冷蔵庫を横積みしてください。

保障対象外

冷蔵庫を横積みで運搬して故障した場合は、保証期間内であってもメーカー保証での修理をしてもらえず、高額な修理代金がかかります。

このため冷蔵庫の横積みは自己責任になることを頭に入れておきましょう。

ちなみに軽トラックに縦積みする場合には、地面から2.5m以内の高さに収めなくてはいけません。荷台の高さが650mmだった場合には、1,850mmを超える高さの冷蔵庫を縦積みできないので注意してください。

横積みにするときには冷蔵庫の上にモノを積まない

冷蔵庫を横積みするときには、扉側が上になるように冷蔵庫を積みましょう。このときにブレーキや振動などで冷蔵庫が動いてしまわないように、しっかりと固定してください。このとき気をつけたいのは、冷蔵庫の上に直接荷物を置かないということです。

横積みすると冷蔵庫の上側の空間に荷物を積みたくなりますが、冷蔵庫は側面からの力に耐えられる構造になっておらず、荷物を載せてしまうと筐体が変形する可能性があります。どうしても冷蔵庫の上側の空間を使いたい場合には、冷蔵庫本体に荷重がかからないように工夫しましょう。

また、ダンボールの角などがぶつかる可能性もありますので、運搬中は毛布などで包んでおいてください。そうすることで移動中の破損を防ぐことができます。

設置してから半日は電源を入れない

横積みで冷蔵庫を運搬すると、潤滑オイルが冷却回路に流れ込むため、新居に設置したら潤滑オイルがコンプレッサーに戻るまで待ちましょう。とはいえ、コンプレッサー内は見えませんので、最低でも半日は電源を入れないようにしてください。

冷蔵庫を設置したら、そのまま翌朝まで放置しておくと安心です。すぐに使いたくなるかもしれませんが、故障したのでは何のために自分で運んだのかわかりません。自分の判断で「大丈夫だろう」と決めつけずに、じっくり待ってから電源をいれてください。

1人あたり25kg以下になるような人数で搬出搬入する

積み方に関係なく、冷蔵庫の搬出搬入時には2人以上で運びましょう。カタログなどで冷蔵庫の重さを確認して、1人あたり25kg以下になるように計算してください。例えば50kgの冷蔵庫であれば2人で運べますが、100kg前後なら4人は必要になります。

無理に少人数で運ぼうとすると、ぎっくり腰などの危険性が上がってしまいます。治療費もかかってしまいますし、新居での生活も不便になります。自分で引越しをするときには安全に終わらすことが最も重要ですので、重さに見合った人数で搬出搬入しましょう。

10年近く使っているなら買い替えがベスト

冷蔵庫に限らず、家電には寿命があります。冷蔵庫の場合には10年以上使っていると故障しやすく、運搬中の振動で壊れてしまう可能性もあります。まだ動いているのにもったいないと思うかもしれませんが、10年近く使った冷蔵庫は引越し先には持っていかずに処分しましょう。

新しい冷蔵庫は引越ししてから新居に届くように手配しておいて、古い冷蔵庫は下記のいずれかの方法で処分しましょう。

処分する方法
  1. 購入したお店に引取依頼する
  2. 自治体に問い合わせる
  3. 指定引取場所に持ち込む

冷蔵庫は家電リサイクル法の対象ですので、粗大ごみとして捨てることができません。基本的には購入したお店に回収してもらい、それが難しいようであれば、お住まいの自治体に問い合わせして回収してもらいましょう。

注意

気をつけたいのは、トラックで地域を周っている廃品回収業者を利用しないことです。無料で回収しまうと言っておきながら、依頼すると運搬料金を請求してくるなどトラブルが相次いでいます。

不法投棄される可能性もありますので、必ず自治体の指定する方法で処分してください。

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冷蔵庫を横積みで運搬するときの手順

冷蔵庫を運搬するときの注意点について把握したところで、それらを踏まえた上での冷蔵庫を横積みで運搬する時の手順についてお伝えします。

STEP.1
前日のうちに冷蔵庫を空にしてコンセントを抜く

引越し前日に冷蔵庫の中身をすべて空にして、コンセントを抜いておきましょう。冷蔵庫を運ぶ前には「水抜き」という作業が必要で、そのためには電源を落とす必要があります。必ず前日のうちに電源を落としておきましょう。

STEP.2
水受けトレイと給水タンクの水を捨てる

前日のうちにコンセントを抜いておくと、冷蔵庫下部にある水受けトレイに冷蔵庫内の水が溜まります。水が溢れないようにトレイを引き出して、水を捨てておきましょう。自動製氷機がある場合には、給水タンクの水も捨ててください。

STEP.3
冷凍庫の霜を落とす

冷凍庫に霜がついている場合には、コンセントを抜いた後に冷凍庫の扉を開けておきましょう。そうすることで、翌朝には霜を落としやすくなります。強引に落とそうとすると冷蔵庫内が変形しますので、自然に溶かしてタオルなどで水滴を拭き取ってください。

STEP.4
車の荷室にタオルなどを敷く

車に運ぶ前に、車の荷室にタオルを敷いておきましょう。水抜きをしてもまだ冷蔵庫内に水が残っている可能性があります。タオルを敷いておけば、残った水が広がることもなく、他の荷物が濡れるのを防ぐことができます。

STEP.5
荷室に積み込む

荷室に積み込むときには必ず2人以上で行いましょう。引越し当日になって「重たくて運べない」とならないように、事前に1度運べるか試してみることをおすすめします。荷室に積み込んだら、動かないようにしっかり固定しておきましょう。

STEP.6
新居に搬入する

搬入するときも同じく2人以上で作業してください。冷蔵庫が大きい場合には、事前に搬入経路を確認しておきましょう。エレベーターに奥行きがなく運べなかったり、階段の角で引っかかって曲がれなかったりすることがよくあります。面倒でも事前に経路の確認をしておきましょう。

STEP.7
立てたまま半日放置しておく

搬入したら設置して、コンセントを抜いたまま半日放置しておきましょう。10時間くらい経過すれば、潤滑オイルがコンプレッサーに戻り、問題なく利用できるようになります。ここで急ぐと苦労が無駄になるので、必ず半日は待つように気をつけましょう。

STEP.8
コンセントを接続し電源を入れる
設置してから10時間経過したら、コンセントを接続しましょう。特に気をつけることはありません。
STEP.9
2〜3時間冷やしてから食材を詰める

電源を入れても、冷蔵庫はすぐに冷えるわけではありません。容量にもよりますが2〜3時間は中に何も入れず、空の状態で冷やし続けましょう。夏場には冷やすのに半日かかることがありますので、トータルで1日冷蔵庫を使えなくなります。冷やしたいものがある場合には、クーラーボックスを用意しておきましょう。

横積みで運ぶ時にはこの手順を守ってください。100%確実というわけではありませんが、故障リスクは大幅に下がります。

安全を重視して運べそうにないなら引越し業者に依頼する

冷蔵庫を運ぶときにきちんと手順を踏めば、冷蔵庫を横積みにすることのリスクはそれほど高くありません。問題なのは旧居からの搬出と新居への搬入です。大型の冷蔵庫になると100kg以上もあり、少なくとも男性4人いないと運べません。

もし4人いたとしても、落下させる可能性もありますし、運搬中に腰などを痛める可能性もあります。友人に協力を依頼した場合には、交通費や食事代くらいは出さなくてはいけませんので、引越し業者に依頼したほうが安くつくこともあります。

冷蔵庫だけの引っ越しについてはこちら
冷蔵庫・洗濯機・ベッドの大型家具のみの引っ越し料金相場!おすすめの業者8選

安全に運べそうにないなら、無理に自分たちだけで運ぼうとするのではなく、冷蔵庫だけでも引越し業者に運んでもらいましょう。冷蔵庫だけの引越しなんてお願いできるの?と思うかもしれませんが、ほとんどの引越し業者は問題なく対応してくれます。

ただし、料金にはバラツキがありますので、1社だけに依頼するのではなく、2〜4社に相見積もりして、1番安値で対応してくれる業者に依頼しましょう。このとき1社ずつ見積依頼するのは面倒ですので、引越し一括見積もりサイトを利用するのがおすすめです。

このサービスを使えば、1度の申込みで複数社に見積依頼できます。相見積もり前提になっていますので、業者同士が競い合ってくれるので料金は安値になりやすく、リーズナブルに冷蔵庫を運んでもらえます。もちろん他にも大型の家具や家電を運んでもらうこともできます。

安全に運ぶのが難しそうなものをまとめて、引越し業者にお願いしましょう。引っ越し一括見積もりサイトの見積もりについて詳しく知りたいという方は次の記事が参考になるはずです。

【4月版】 引越し一括見積りサービス12社を徹底比較!おすすめのランキング評価紹介

まとめ

冷蔵庫は横積みで運んではいけないとされていますが、新居に設置した後に半日放置して潤滑オイルをコンプレッサー内に戻せば、横積みでも問題ありません。もちろん自己責任ということにはなりますが、その方法で壊れた人はほとんどいませんので安心して横積みしてください。

本当に気をつけなくていけないのは人の手で運搬するときで、1人あたり25kgの負荷になるように、2人以上で運ぶようにしましょう。落下させて冷蔵庫が壊れるだけでなく、足を挟んだら骨折する可能性があります。無理して踏ん張るとぎっくり腰になることも考えられます。

安全に運べそうにないなら、冷蔵庫だけでも引越し業者依頼して運んでもらいましょう。そのときに引越し一括見積もりサイトを使えば、格安料金で運んでもらえます。引越しで冷蔵庫を壊してしまわないための保険のようなものだと考えて、無理せず引越しのプロに任せましょう。