うるさい騒音で引越し!引越し費用・違約金は管理会社に相談してみる

マンションやアパートなどの集合住宅の場合、すぐ隣や上の階で生活している人がいるため、どうしても生活音が響いてしまいます。ある程度は許容するしかありませんが、人によっては気になって仕方がないという人もいますよね。

騒音に耐えられずに賃貸物件を退去するにしても、引越し費用を自分が負担するのは理不尽に思えます。では、引越し費用や慰謝料などを管理会社や騒音を出している人に請求できるのでしょうか?ここでは、騒音トラブルで退去するとき、引越し費用を誰が負担しなくてはいけないのかについて解説します。

騒音トラブルでの引越しは自己負担が基本

近隣の騒音に耐えられず、引っ越しをする場合には、その費用は自分で負担することになります。自分が悪いわけではないのに納得できないかもしれませんが、「生活音がうるさい」という感覚は数値化することが難しく、自分がストレスに感じていても、他の人にはそうではないことが多々あるためです。

もちろん、どんな状況でも自己負担になるわけではありません。例えば生活音などが60dB以上あるなら「騒音」となることもあり、引越し費用の請求が認められるケースもあります。ただ、これも確実ではなく、場合によっては裁判を起こす必要があります。

また、管理会社に対して請求することもできますが、この場合は管理会社によって対応が違います。引越し費用の負担だけでなく敷金の返還にも応じてくれることもあれば、自分たちには責任がないと逃げられる場合もあります。

いずれにしても、引越し費用を出してもらえるかどうかで大事なのは「手順」になります。どのような手順なら騒音を出している人や管理会社に負担してもらえるのか、わかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

騒音で悩まされたときに取るべき行動の手順

近隣の騒音で悩まされたときに、いきなり騒音を出している人に苦情を言いに行っても、状況が改善することはありません。本人に悪いという意識がなくモラルが低いので、むしろそこから嫌がらせなどが始まる可能性があります。

騒音が苦痛で引越しを考えているなら、自分の安全を守るためにも、しっかりと手順を踏んでいきましょう。

騒音についての具体的な状況を記録しておく

騒音が気になり始めたら、記録をつけることから始めましょう。

  • 日時
  • 音の種類
  • 音の方向
  • 音の長さ
  • 音の測定(録音と計測)

騒音トラブルは記録がとても重要になります。音が気になったときにはこれらの情報を記録しておきましょう。録音と音の大きさを計測しておくのも有効です。音の大きさはスマホアプリでも計測できますが、精度が低いため騒音計を購入しておくと良いでしょう。

ただし計測した音の大きさが小さい場合には「騒音」と認められず「神経質になりすぎ」とクレーマー扱いされてしまう可能性があります。それでも計測してみないことにはわかりませんので、できればきちんと測っておきましょう。

まずは管理会社に相談しよう

騒音の記録を1週間程度続けたら、その記録を持ってマンションやアパートの管理会社に相談に行きましょう。そこで管理会社から騒音を出している人に指導するようにお願いしてください。騒音の記録があれば、管理会社も切実に感じて早急に対応してくれます。

ただ、これで改善されることは少なく、多くのケースで騒音が続くだけでなく、場合によっては嫌がらせを受けることもあります。そうなったら、管理会社に対して

引越し費用

改善されないので引越しをしたいのですが、引越し費用を負担していただけないでしょうか?

とお願いしてみましょう。

引越し費用の支払いに応じてくれない管理会社がほとんどかと思います。なぜそうなるのかについては後ほど詳しく説明しますが、ここでは記録を残して、その記録を持って管理会社に相談するという流れだけを覚えておいてください。

建物外の騒音は自治体に相談する

仮に騒音が近隣住民のものではなく、マンションやアパートの隣にある工場などの音だった場合には、管理会社に相談しても解決しません。この場合には、自治体に相談しましょう。同じく騒音の記録を持って市役所などに相談に行ってください。

自治体が調査をして、必要に応じて対応してもらえます。ただし、自治体は基準を超えた騒音でないと何もしてくれません。騒音レベルを計測した上で相談に行きましょう。

改善されないときは弁護士や警察に相談

管理会社に相談に行っても、まったく解決できない場合や、嫌がらせを受けた場合には弁護士や警察に相談しましょう。無理に自分で解決しようとすると、嫌がらせがひどくなることも考えられます。警察は基本的に民事不介入ですが、身の危険を感じるなら対応してもらえます。

また、騒音で引越しを考えていて、引越し費用や慰謝料を誰かに出させたい場合には弁護士に相談しましょう。いきなり弁護士に相談するのは気が引けるという場合には、法テラスを利用してください。無料で相談に応じてもらえ、客観的に請求可能かどうかを判断してもらえます。

ただし、実際に動いてもらうとなるとお金も時間もかかります。費用対効果があるのかどうかも含めて相談してみましょう。

騒音トラブルで引っ越し費用を請求できる条件

騒音によって引越しを考えているとき、その費用を自分で負担したくないのであれば、管理会社もしくは騒音の原因になっている騒音を出している人に請求することになります。請求することは難しくはないのですが、支払ってくれるかどうかは別問題です。

そこで、どのような条件なら引越し費用を払ってもらえるのかについて、ご紹介していきます。

受忍限度を超えるかどうかが判断基準

管理会社が払ってもらうにしても、騒音を出している人に払ってもらうにしても、まずポイントになるのが「受忍限度を超えているかどうか」ということです。集合住宅で暮らすということは、ある程度は周りの生活音に耐える必要があります。

この耐える限界を超えていれば「払って欲しい」という主張は通りますが、この限界がどこにあるかは個人差があります。もしあなたが耐えられなかったとしても、他の住民が「まったく気にならない」と言うのであれば、「あなたが神経質すぎるだけで、こちらに支払う義務はない」となります。

もっとも騒音に関しては、一定の基準があります。どれくらいの音が基準になるかは地域の条例によって定められており、東京都の第1種低層住居専用地域での騒音基準禍下記のようになっています。

  • 昼間(6時〜22時):55dB以下
  • 夜間(22時〜6時):45dB以下

夜間に45dBの音、もしくは日中に55dB以上の音が発生していれば、それは騒音として訴えることができます。自分の暮らしている地域の騒音基準を確認し、騒音計で計測した上で基準以上の音が続いているようなら、管理会社もしくは騒音を出している人に引越し費用を請求できます。

管理会社が払ってくれる条件

管理会社が騒音の発生を知っていながら、賃貸契約を結ぶときに告知しなかったとすれば、それは管理会社の責任ということになります。管理会社は騒音を知っていたなら、契約を結ぶときに告知する義務があり、それを怠った場合には告知義務違反になります。

この場合「告知義務違反なので、引越し費用を払ってください」と請求できるのですが、どこまでが騒音かという判断が難しく、近所の人が大音量で音楽を流していたり、毎晩のように窓を開けて宴会をしていたりするというような状況でもない限り、告知義務違反にはなりません。

このため、良心的な管理会社でもない限り、管理会社は騒音を出している人に注意するだけで、引越し費用までは負担してくれません。ただし、騒音があまりにもひどい場合には「仲介手数料ゼロで別の物件を紹介してください」くらいは応じてくれる可能性はあります。

そこは交渉次第ですので、できるだけ粘って良い条件を引き出しましょう。

騒音を出している人が払ってくれる条件

騒音を出している人が引越し費用を払ってくれる可能性があるとしたら、訴えるしかありません。「あなたの騒音がひどくて引越しをすることになったので、引越し費用を出してください」と言われて、簡単に応じてくれる人は、そもそも騒音を出し続けることはありません。

そうなると、裁判所に判断してもらうことになります。もちろん前提として受忍限度を超えている場合に限りますし、必ず裁判に勝てるわけではありません。それでも、裁判にでもならなければ、騒音を出している人は引越し費用を出してくれることはありません。

そこまでして引越し費用を払わせたいかどうか、よく考えてください。手間をかけてでも払わせたいのであれば、弁護士事務所もしくは法テラスで相談しましょう。

引越し費用を安く抑えて自腹で退去するのが1番

騒音を出している張本人から引越し費用や慰謝料を請求するには、弁護士に相談し裁判にするなどの長い道のりが待っています。時間もかかりますし、精神的な苦痛もあります。そう考えると、理不尽かもしれませんが、騒音を出している人には関わらないことをおすすめします。

  1. 管理会社に騒音の解決を依頼する
  2. 解決しなかったら管理会社負担で引越しできるように依頼する
  3. 管理会社の提案を受け入れて引越しをする

これが最もスムーズな解決方法です。管理会社も契約者の声を無下にするのは賢明ではなく、出来る範囲で対応してくれるはずです。引越し費用を出してくれるかもしれませんし、敷金や礼金、仲介手数料などの割引を受けられる可能性もあります。

どこで線引きをするかの判断が難しいのですが、管理会社がある程度譲歩してくれたら、それに乗るのがおすすめです。

もし自腹で引越し費用を出さなくてはいけなくなった場合には、できるだけ引越し費用を抑える工夫をしましょう。例えば一括見積もりサイトを使えば、業者同士が勝手に価格競争をしてくれるので、相場よりも安い金額で引越しできます。

また平日のフリー便を使えば、さらに料金を抑えられます。ただし3月や4月の繁忙期は引越し費用が1.5〜2倍くらい高騰しますので、このタイミングは避けてください。ちょっとした工夫で負担を減らすことができますので、サクッと自腹で引越ししましょう。

まとめ

騒音に悩まされているのは自分なのに、引越し費用を自分が捻出して出ていくというのは納得ができないかもしれません。とはいえ騒音トラブルはとても難しく、管理会社も頭を悩ませていますが、これといった解決策がない問題のひとつです。

騒音を出している人に引越し費用を請求するには、裁判をする必要がありますし、管理会社も注意はしてくれるものの、それ以上の対応は期待できません。このため、問題を早期に解決したいなら、自費で引越し費用を払うのが最もスムーズな解決方法になります。

まずは管理会社に相談し、引越しが必要な場合には出来る範囲内でサポートしてもらいましょう。あまり無理を言っても時間を消耗するだけで、心理的なストレスも溜まってしまいます。できるだけ安く引越しをし、過去は忘れて居心地のいい場所で新生活を開始しましょう。