引越し後の定番、引越し蕎麦ってどんな意味があるの?

引越しをしたあとはお蕎麦を食べるもの。理由はよくわからないけどずっと伝わる風習だから引越し後にお蕎麦を食べている人いませんか?

せっかくなら引越しを終えて、お蕎麦を食べるときに、引越しそばの由来なんかをみんなに教えてあげると、ちょっと賢い人だと思ってもらえるかもしれません。そんな誰かに話したくなる、引越しそばの雑学を紹介します。

引越し蕎麦は江戸時代から伝わる習慣

引越し蕎麦は江戸時代の中期から広まった習慣で、最近は引越しの後に食べるものだと思っていますが、本来は引越しの際に挨拶の品として近所に蕎麦を配っていたそうです。

お蕎麦を配るのは「向こう三軒両隣」であとは近所の顔役や家主などにも配っていました。

「蕎麦(側)に引越してきましたよ」という洒落も込めて、細く長くお付き合いをよろしくお願いしますとお蕎麦を配っていました。お蕎麦ひとつにそれだけ意味を込めるなんて、昔の日本人は遊び心を大切にしていたということなんでしょうね。

洒落っ気もありますが、挨拶の品として蕎麦が選ばれたのは、単純に安かったからだそうです。とはいえ安いものだからこそ長く続いた風習なのかもしれません。

引越し蕎麦を自分たちで食べるようになった理由

いつの間にか「引越したらお蕎麦を配る」から「引越したらお蕎麦を食べる」に習慣が変わっているのですが、なぜこのようなことになっているのでしょう。

おそらくこれは、少し前の引越しが引越し業者の手だけではなく、多くの人たちの力を借りて引越しを行っていたからではないでしょうか。

現在の若い人には信じられないかもしれませんが、30年近く前は会社の上司の引越しに部下が手伝いに来るというのがあたり前の時代でした。それだけではなく、友人同士も引越の手伝いをお互いにしていたのです。

引越しの専門業者ができたのは昭和50年代の初期ですから、それまでは「引越しはみんなでするもの」というのが一般的な考え方だったのです。

そんな引越しを手伝ってくれた人に、引越し後の「ご苦労様」という意味で本来配るはずの、お蕎麦を調理して出したことから、引越し後にお蕎麦を食べる習慣が定着したと考えられます。

いまでは引越しは引越し業者が何でもやってくれますので、引越しを誰かに手伝ってもらうことも減っています。それでも引越し後にはお蕎麦を食べるものという記憶だけが残っているため、引越し作業を終えたらお蕎麦を食べなくてはとなるのかもしれません。

あえて引越しの挨拶に蕎麦を配るときの注意点

引越し蕎麦は近所に配るものだと聞くと、タオルや洗剤のような味気ないものではなく、江戸時代の人たちに習ってお蕎麦を配ろう。そう考える人もいるかもしれません。

ただ、安易にお蕎麦を配るのはちょっと待って下さい。

最近は蕎麦アレルギーの人が増えています。蕎麦アレルギーの人は全国に3万5千人いると言われています。1500世帯に1世帯ぐらいの割合ですので、そう簡単には蕎麦アレルギーの人が隣近所にいるわけではありませんが、絶対にいないとも言い切れません。

蕎麦アレルギーはとても深刻なアレルギーですので、蕎麦アレルギーの人に対して引越しの挨拶にお蕎麦を配ったら「無神経な人」と思われてしまう可能性があります。何をするにしても難しい時代になってしまいました。

もし引越しの挨拶にお蕎麦を配ろうと思うなら、うどんもいくつか用意しておきましょう。お蕎麦を渡すときに「お蕎麦食べられますか?」と確認するようにしてください。もし蕎麦アレルギーを持っているようでしたら、挨拶の品をうどんに変えてください。

細く長くという意味を込めたいので、稲庭うどんがいいかもしれません。

ちなみにうどん県の香川県の西部では、「初風呂うどん食え」といって、新築を建てたときの最初のお風呂でうどんを食べる習慣があるそうです。

まとめ

引越し蕎麦は、引越しを終えた後に食べるものだと思い込んでいた人は多いのではないでしょうか。引越し蕎麦は近所に配るものというのが始まりだという豆知識、ぜひ自分や誰かの引越しのときに披露してみましょう。

時代が変わっても忘れたくないのが、近所への引越しの挨拶です。最近は引越しの挨拶もしないという人たちが増えてきましたが、何かあったときに協力し合うのが向こう三軒両隣です。

部屋数の少ないアパートやマンションならすべての部屋に、大型のマンションならせめて両隣には挨拶に行きましょう。挨拶の品はお蕎麦といきたいところですが、紹介した注意点を参考に、もらう人のことへの配慮を忘れないようにしてください。