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引っ越しをするときには役所で様々な手続きがありますが、忘れがちなのが印鑑証明です。普通に暮らしているだけですと印鑑証明書を発行する機会はほとんどなく、そもそも存在を忘れられていることもありますし、手続きが必要になるということを把握していない人もいるようです。
そこでここでは、引っ越しをするときに印鑑証明がどのような扱いになるのか、移転にともない、どのような手続きが必要になるのかを解説していきます。忘れていると必要になったときに困りますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
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印鑑証明は市区町村ごとに登録する
まず覚えておいてもらいたいのが、印鑑登録は住民票がある市区町村ごとに管理をしているということです。このためA市からB市に移転する場合には、A市で登録した印鑑はA市から転居した時点で無効になります。
無効になりますので、手元の印鑑を実印として有効にするためには、B市で改めて印鑑登録の申請をする必要があります。実印は国が管理していると思い込んでいて、引っ越ししても手続きをしていない人もいるようですが、実際には新規に登録が必要になりますので気をつけてください。
具体的にどのような方法で登録すればいいのか、詳しく見ていきましょう。
同じ市区町村内での引っ越しなら手続き不要
引っ越し先が同じ市区町村内であれば、転居届を出すと自動的に印鑑証明の住所も新住所に切り替わります。印鑑登録証(カード)もそのまま使うことができますので、印鑑登録のための手続きは必要ありません。
違う市区町村内への引っ越しで必要な手続き
引っ越し先が違う市区町村の場合には、「転出届」と合わせて「印鑑登録廃止申請書」を提出します。自治体によっては転居届を出すだけで、転出予定日に印鑑登録が廃止されるようになっていますので、自治体のHPなどで事前に確認しておきましょう。
自治体によっては、印鑑登録証(カード)を返却する必要がありますので、転出届を提出するときに忘れずに持っていきましょう。
引っ越し先では「転入届」と一緒に「印鑑登録申請書」を提出しましょう。このときに必要になるのが下記の2点です。
- 登録する印鑑
- 本人確認資料
登録する印鑑は引っ越し前に使っていた実印で問題ありません。本人確認資料は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きの身分証明書を用意してください。
別日でも良い
ちなみに印鑑登録に期限はないため、必ず転入時に登録しないといけないわけではありません。転入の手続きをするときに実印や本人確認資料を忘れた場合には、別の機会に印鑑登録の手続きを行いましょう。
印鑑を登録するときのQ&A
引っ越しに合わせて印鑑登録をするときによくある質問をまとめました。
Q.実印をなくしてしまいました。別の印鑑でも大丈夫ですか?
実印をなくした場合には、新しい印鑑で登録してください。どのような印鑑でも登録できるわけではなく、下記のような条件があります。
・8mmの正方形以上、25mmの正方形以内
・輪郭があるもの
・輪郭が欠けていないもの
・名字を表しているもの
・氏名以外が刻印されていないもの
・ゴム印やスタンプはNG
・他の家族との共用はNG
細かい部分は自治体によってルールが違いますが、一般的に実印用として売られている印鑑であれば使用できます。
ちなみに別の印鑑に変更しても、過去の契約の効力が失われることはありませんので安心してください。
住宅ローン
ただしローン契約の場合には、実印が変わったときに申請が必要になることもありますので、念のため確認しておきましょう。
Q.印鑑登録にはどれくらい時間がかかりますか?
本人が申請し、書類や印鑑に不備がなければ、原則として即日登録(20〜30分)できます。ただし本人確認資料に顔写真付きの身分証明書を用意できない場合などでは、登録に数日かかることもあります。
※窓口の待ち時間によって登録にかかる時間は異なります。
Q.印鑑登録は自分で行う必要がありますか?
印鑑登録は原則として本人が手続きを行う必要がありますが、代理人に委任することも可能です。その場合には「委任状」と「代理人の本人確認書類」が追加で必要になります。代理人に登録する印鑑を預けることになりますので、信頼できる人にお願いするか、できるだけ自分で登録してください。
Q.手続きをしないとどうなる?
印鑑登録は個人の申請によって行うものであり、登録の義務はなく、手続きをしなかったからといって罰せられることはありません。このため必要になってから登録するというのでも構いませんが、いざというときに備えて、転入時に手続きしておくのがおすすめです。
Q.旧住所で発行した印鑑証明書を使用してもいい?
旧住所で発行した印鑑証明書は廃止手続きをしたことで、証明書としての効力が失われます。同じ印鑑を使っていても利用できませんので破棄して、新住所で発行し直しましょう。
そもそも印鑑証明って何?
何も考えずに実印登録をしてきたけど、よく考えたら1度も印鑑証明を使ったことがなく、転居先でもあえて登録する必要はないのでは?と考えている人もいますよね。そのような人のために、そもそも印鑑証明とは何なのかについて簡単に説明しておきます。
日本では正式な書類のやり取りをするときに、押印する文化があります。印鑑を押すことで「自分の意思で契約(合意)しました」という証明になるのですが、印鑑は100円ショップでも売られていて、いくらでも偽造できます。これでは大きなお金が動くような契約では困ります。
そこで重要な契約の場合には、本人だけが持つ「実印」を使って押印する必要があります。実印は役所に登録した印鑑のことで、実印での押印と役所が発行する印鑑証明書をセットにすることで、本人の意思で契約(合意)したことを証明できる仕組みになっています。
実印が必要になるのは次のようなケースです。
- 不動産購入
- 中古車の売買
- 銀行でのローン契約
- 公正証書作成
- 遺産相続
- 官公庁での手続き
- 法人の発起人となる
あまり使うケースは多くありませんが、遺産相続などは突然やってきます。そのときになって慌てて実印登録をするのも手間がかかりますので、引っ越しの手続きと合わせて実印をきちんと登録しておきましょう。
引越し必要な手続きはこちら
引越し時の電気・ガス・水道の解約(停止)と契約(開始)の手続き方法 引っ越した時のマイナンバー変更手続き方法!手続きに必要なものを解説
まとめ
印鑑の登録は市区町村ごとに管理しており、引っ越しをすることで違う市区町村に移転する場合には、旧住所で廃止して新住所で新しく登録する必要があります。転出届を出すだけで同時に廃止してくれる自治体もありますので、事前に確認しておきましょう。
登録には印鑑だけでなく本人確認資料として運転免許証やマイナンバーカードなどが必要になります。また代理人に依頼することも可能ですが、その場合には委任状と代理人の本人確認資料も用意してください。
印鑑登録は必ずしなくてはいけないわけではありませんが、大きなお金が動く契約や遺産相続などで必要になります。必要になってから登録するのでも構いませんが、すぐに必要になるときなどに困りますので、引っ越しのタイミングで合わせて登録しておくのがおすすめです。
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