生活保護受給者でも引越しできる!引越し費用を支給してもらう方法を解説

生活保護を受けているときに、どうしても引っ越しが必要になったときに悩ましいのが引っ越し費用の調達方法ですよね。そもそも生活保護を受給中に、引っ越しが認められるのかもわからないという人もいるかと思います。

そこでここでは生活保護と引っ越しの関係について、わかりやすく解説していきます。生活保護を受けているときに、どのようにすれば引っ越し費用を準備するのかについても説明していますので、お金がなくて困っている人もぜひ参考にしてください。

生活保護受給者でも引っ越しできる

まずは生活保護を受けている状態で、引っ越しできるのかについて解説します。結論から言えば、生活保護受給者であっても「居住・転居の自由」があるため、引っ越しをすることは可能です。ただし生活保護を受給した状態で引っ越しをする場合には、いくつかの条件があります。

  • 現在の住居で暮らせない明確な理由がある
  • 転居することが自立につながる

引っ越しが認められるのはこのいずれかに該当しているケースで、例えば暮らしているアパートの取り壊しが決まったり、病気やケガでバリアフリーの建物でないと生活できなくなったりした場合には、やむを得ないとして引っ越しが認められます。

反対に現在の住宅に大きな問題もないにもかかわらず、「生活に便利な駅の近くに引っ越したい」「設備が充実した部屋で暮らしたい」といった、生活の質を向上させることが理由だった場合には、引っ越しは許可してもらえません。

一般的には下記の18項目のいずれかに該当していれば、引っ越しが認められます。

  1. 入院している人が退院したときに暮らす住居がない
  2. 福祉事務所の指導により家賃が低いところに転居する
  3. 立退きを強制された
  4. 退職して社宅などから退去する必要がある
  5. 社会福祉施設などから退所するときに帰る住居がない
  6. 宿所提供施設、無料低額宿泊所暮らしから居宅生活が認められた
  7. 現在の住居の大家や管理者から必要のないサービスの強要など不当な行為を受けた
  8. 就労先が遠くて通勤が困難、転居で世帯収入の増加や健康維持が見込まれる
  9. 火災等の災害により、現住居が消滅もしくは居住できない状態になった
  10. 老朽化により居住することができなくなった
  11. 家族の人数に対して住居が狭い、もしくは劣悪で生活するのが困難
  12. 病気の療養に不適、または身体障害者で設備構造が居住に適さない
  13. 親戚、知人宅などに一時的に寄宿していた先から転居する
  14. 家主の立ち退き要求や借家契約の更新の拒絶、解約の申し入れ
  15. 離婚により、新たに住居を必要とする
  16. 高齢者、身体障害者などが扶養義務者の日常的介護のため扶養義務者の近隣で暮らす
  17. グループホームや有料老人ホームなどに入居する
  18. 犯罪被害や家族などから暴力を受け、生命および身体の安全を確保するため

生活保護を受けている人の引っ越し費用

生活保護を受けている人が上記条件に該当し引っ越しする場合には、引っ越し費用を国から支給してもらえます。支給されるのは下記の費用になります。

  • 敷金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 火災保険料
  • 仲介手数料
  • 引越業者に支払う費用

これらに加えて、最低限必要な家具や家電の購入費用も支給してもらえるケースもあります。

ただし、どこまで負担してくれるのかは自治体ごとに判断が違います。仲介手数料などが自己負担になると、まとまった金額の費用が発生しますので、引っ越しをする前に支給されるかどうかを確認しておきましょう。

支給額

引越業者に支払う費用と前家賃は全額支給で、敷金、礼金、火災保険料などに関しては、住宅扶助の限度額に応じて上限が定められています。

敷金、礼金、火災保険料:合計が住宅扶助の限度額の3.9倍(7人世帯以上は4.68倍)
前家賃:住宅扶助の限度額(やむを得ない場合は特別基準額の範囲内)
引越業者に支払う費用:全額支給

住宅扶助の限度額は自治体ごとに違います。地域ごとの住宅扶助の限度額(2020年度)をいくつかご紹介します。

地域級地1人2人3〜5人
北海道1級地29,000円35,000円37,000円
東京都1級地53,700円64,000円69,800円
大阪府1級地39,000円47,000円51,000円
福岡県2級地32,000円38,000円41,100円

東京で生活保護を受けている2人夫婦が引っ越しをする場合には、住宅扶助の限度額は64,000円となり、敷金や礼金などの合計は249,600円まで支給される計算になります。

引っ越し費用を支給してもらうための流れ

生活保護を受給している状態で引っ越しをするには行政の許可が必要になるため、通常の引っ越しとは流れが少し違います。どのような手順になるの順を追って説明します。

STEP 1.担当のケースワーカーに相談

引っ越しをしたいと思ったら、まずは担当のケースワーカーに相談しましょう。引っ越しが必要な理由を伝えて、ケースワーカーが「引っ越しをするのが最善」と判断してもらえると、次のステップに進めます。

STEP 2.福祉事務所(行政)の許可を得る

ケースワーカーがOKをしたら、次は福祉事務所(行政)の許可を得ます。ケースワーカーがOKだと判断しても福祉事務所がNGとするケースもありますのでご注意ください。

STEP 3.住宅扶助の限度額に収まる物件を探す

福祉事務所が許可をしたら物件探しです。不動産管理会社によっては生活保護を受けている人への紹介をしていないケースがありますので、事前に電話で生活保護でも借りられるか確認しておきましょう。ケースワーカーに相談するのもおすすめです。

対応してくれる不動産管理会社が見つかったら、いよいよ物件選びです。ここで大事なのは家賃が住宅扶助の限度額に収まる範囲で物件を探すことです。

やむを得ない場合には特別基準額まで上限を上げてもらえますが、それは特例であり、通常は住宅扶助の限度額までとなっています。

STEP 4.引越業者への見積依頼

引っ越し先が決まったら、今度は引越業者に見積依頼します。いきなり契約するのはNGで、少なくとも2社に見積依頼をして、ケースワーカーに見積書を提出しましょう。一般的には見積金額が安い業者に依頼することになります。

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STEP 5.引っ越し

引越業者と契約をしたら、福祉事務所から引っ越し費用を受け取りましょう。発生する費用はすべて自分で支払うことになります。ただし、自治体によっては使い込みを避けるために、福祉事務所から業者に支払うケースもあります。どちらの対応になるか事前に確認しておきましょう。

あとは引越業者に料金を支払い、荷物を新居まで運んでもらえば完了です。

生活保護で引っ越し費用を支給してもらうときの注意点

生活保護受給者であっても事情があれば引っ越しでき、引っ越し費用も負担してもらえるということが、ここまでの説明で理解できたかと思います。手続きなどもありますが、基本的にはケースワーカーと相談しながら進めれば、スムーズに引っ越しできます。

ただし生活保護ならではの注意点もありますので、引っ越しをするときに気をつけなくてはいけないポイントについてお伝えしておきます。

都道府県外への引っ越しは再審査が必要

生活保護を受けている人が引っ越しをするときに気をつけたいのが、都道府県外への引っ越しです。現在暮らしている都道府県を出てしまうと、生活保護の受給資格が失われてしまいます。このため生活保護を継続するには、新しく暮らす地域で生活保護の再審査を受ける必要があります。

ご存知のとおり生活保護は審査が厳しく、以前受給できていたからといって、必ずしも引っ越し先で生活保護を受けられるとは限りません。生活保護を確実に受け続けたいというのであれば、現在暮らしている都道府県の範囲内で引っ越し先を探しましょう。

退去費用は支給対象外

引っ越しをするときに、退去する部屋で発生する退去費用は支給対象外となっています。敷金でまかなえる範囲であれば問題ありませんが、敷金ゼロ物件で暮らしている場合には退去時にハウスクリーニング費用を請求されることが多く、生活保護受給者でも自己負担となります。

ハウスクリーニング費用だけでなく、不用品回収処分費用なども自分で払わなくてはいけません。生活保護でお金を貯める余裕はないかもしれませんが、引っ越しすることがきまったら、これまで以上に節制して、思わぬ出費に備えておきましょう。

旧住所で返還された敷金を申告する

退去時に返還される敷金は必ず福祉事務所に申告しましょう。自分が預けたお金が戻ってくるだけですから申告なんて必要ないと思うかもしれませんが、戻ってきた敷金は収入扱いになります。そのまま黙って懐に入れたのが分かると、不正受給として過受給分の返還を求められます。

引っ越しはなにかとお金がかかるため、申告せずに使いたくなりますが、敷金が返還される可能性があることは福祉事務所も把握していますので、追及される可能性もあります。そうならないためにも、敷金の返還があったら必ずケースワーカーに連絡しましょう。

使い込みが心配なら福祉事務所からの直接払いをお願いする

引っ越し費用は支給されるお金を使って自分で支払うと説明しましたが、支給されてから支払いまでの期間が長いと使い込んでしまいそうで不安という人もいますよね。使い込みは目的外使用になりますので、引っ越しができなくなるどころか、生活保護を打ち切られてしまう可能性もあります。

使い込みが心配だという人はケースワーカーに相談して、福祉事務所から直接支払ってもらえるようにお願いしましょう。

相見積もりは引越一括見積もりサイトが便利

引越業者を選ぶときには2社以上に見積依頼するとお伝えしましたが、2社以上に依頼するというのは思った以上に大変な作業です。同じような情報を何度も入力するのは手間も時間も掛かるので、効率的とは言えません。

業者選定のために見積依頼するときには、以来の手間を省くために引越一括見積もりサイトを利用しましょう。このサービスを利用すれば1度の申し込みで、複数の業者にまとめて見積り依頼ができるため1回分の手間で済みます。

複数社に依頼すると断りの連絡をするのが面倒と思うかもしれませんが、生活保護を使う場合には「行政の判断で他社になりました」と伝えれば、しつこく営業をかけてくることもありません。スムーズに業者選定を進められますので、個別に見積依頼するのではなく、引越一括見積もりサイトをご利用ください。

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まとめ

生活保護でも引っ越しは認められているものの、引っ越し費用を負担してもらうには制約も多く、ただ広い部屋に引っ越したいだけだと引っ越しを認めてもらえません。どうしても引っ越しをしなくてはいけない理由をきちんと説明できるように準備しておきましょう。

支給される引っ越し費用は下記の2つ。

  • 不動産管理会社(大家)に払う費用
  • 引越業者に払う費用

引越業者に払う費用は行政が全額負担、不動産管理会社に払う費用は住宅扶助の限度額の3.9倍(7人世帯以上は4.68倍)までで、それを超えた費用は自己負担となります。また退去時に発生する費用も自己負担となり、思った以上の出費になることもあるのでご注意ください。

自分で判断が難しいことも多々あるかと思いますので、引っ越しの必要性が出たときに、まずは担当のケースワーカーに連絡してください。こういうときに頼りになる存在ですので、小さなことでも相談しながら引っ越しを進めていきましょう。