【4月版】引越しの給付金&助成金まとめ!知らないと損する最大100万円もらえる

引っ越しというとまとまった金額の費用が必要になりますが、その引越費用を給付金や助成金という形で自治体が払ってくれるケースがあります。給付金や助成金というと貧困層でないと使えないイメージがありますが、地域活性化のために支給している自治体もあり意外とハードルが低めです。

そこでここでは、引越費用を補助してもらえる給付金や助成金についてご紹介し、それらを利用するときの注意点も含めて解説していきます。知っているのと知らないのとでは、引越費用に大きな違いが出てきますので、ぜひ参考にしてください。

引っ越しに利用できる給付金

引っ越しに利用できる給付金や助成金は大きく分けて4種類あります。

  1. 新居の家賃を補助する
  2. 引越費用を補助する
  3. 新居の家賃と引越費用を補助する
  4. 使用用途自由の定額給付金が支給される

新居の家賃を補助する給付金や助成金は把握しきれないほど多くの自治体が行っているため、ここでは引越費用もしくは新居の家賃と引越費用を補助してくれる自治体の事業、使用用途が自由な定額給付金に絞ってご紹介していきます。

東京都新宿区:次世代育成転居助成

子育て世帯が、新宿区内で民間賃貸住宅の住み替えをするときの費用を助成してもらえます。

助成額

  • 転居前後の家賃差額(月額最高3.5万円)
  • 引っ越し代の実費(最大10万円)

助成期間

  • 家賃差額助成:最長2年間
  • 引越し費用:一括支給

募集数

50世帯(募集期間3期)

主な資格要件

  • 義務教育修了前の児童を扶養して同居する世帯
  • 転居後の家賃が4人世帯で18万円以下、5人世帯で21.5万円以下
  • 世帯収入が扶養親族1人で540万円以下、2人で578万円以下
  • 親のうち1人が1年以上新宿に居住
  • 新宿区内での引っ越し
  • その他

詳しくはこちら

東京都新宿区:多世代近居同居助成

子世帯と親世帯が、新宿区内で新たに近居もしくは同居するときの初期費用を助成してもらえます。

助成額

  • 引越し代、不動産登記費用、礼金、権利金、仲介手数料の合計額
  • 複数世帯最大20万円、単身世帯最大10万円まで

募集数

50世帯(募集期間3期)

主な資格要件

  • 子世帯又はその親世帯が、次のア~ウのいずれかに該当していること
    .65歳以上の方を含む60歳以上の方のみで構成する世帯
    .要介護度1~5又は身体障害者手帳4級以上、愛の手帳4度以上、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持する方を含む世帯
    .義務教育修了前の児童を扶養し、同居している世帯
  • 世帯収入が扶養親族0人で502万円以下、1人で540万円以下
  • 子世帯又はその親世帯が1年以上新宿区に居住
  • 区外から転入する世帯は、過去6ヶ月間に区内に居住したことがない
  • その他

詳しくはこちら

東京都文京区:移転費用等助成

民間賃貸住宅で暮らしている高齢者、障害者、ひとり親世帯が、住宅の取り壊しなどで立ち退き要求を受け、区内で転居をするときの移転費用等を助成してもらえます。

助成額

  • 転居後の家賃−所得による負担額と転居前家賃の高い方の額(月額最高2万円)
  • 礼金、仲介手数料、引越経費の合計額(最大15万円)

助成期間

  • 家賃助成:最長2年間
  • 移転費用:一括支給

主な資格要件

  • 次のア~ウのいずれかに該当している世帯
    ア.65歳以上のひとり暮らし又は、65歳以上の方を含む60歳以上の方のみで構成される世帯
    イ.身体障害者手帳3級以上、愛の手帳4度以上、精神障害者保健福祉手帳2級以上のいずれかを所持する方を含む世帯
    ウ.18歳未満のお子さんのいる母子家庭・父子家庭、または父母の死亡等により18歳未満のお子さんを祖父母などが養育している世帯
  • 文京区に1年以上居住
  • 立ち退きまたは住環境改善のために区内の民間賃貸住宅間で転居
  • 独立して日常生活を営むことができる世帯
  • その他

詳しくはこちら

東京都荒川区:高齢者住み替え家賃等助成事業

取り壊しなどにより転居を求められたり、良質で防災に優れた住宅に転居したりする高齢者が、転居後の家賃の一部を助成してもらえます。

助成額

  • 転居前後の住宅の家賃差額(月額最高4万円)
  • 仲介手数料(家賃補助額の1か月分)
  • 礼金・権利金(家賃補助額の2か月分)
  • 転居費用実費(最大4万円)
  • 契約更新料(契約更新後の家賃補助額の1か月分)

助成期間

対象世帯の要件および資格の要件を欠くまでの期間

主な資格要件

  • 70歳以上のひとり暮らしまたは、70歳以上の方とその配偶者もしくは兄弟姉妹で構成されている世帯
  • 2年以上継続して区内に居住していること
  • 区内の民間賃貸住宅間で転居
  • 1年以上居住している住宅の取り壊し・賃貸事業の廃止等により立ち退きを求められている
  • 独立して日常生活を営むことができる
  • 世帯全員の前年度の住民税が非課税であること

詳しくはこちら

静岡県藤枝市:新婚世帯向け移住定住補助(引越し費用の助成)

結婚後3年以内の子育て前の夫婦世代が、藤枝市に移住や定住するための費用を補助してもらえます。1世帯あたり最大80万円。

補助額

夫婦の年齢29歳以下29歳以下39歳以下
夫婦合計所得500万円未満600万円未満500万円未満
両者が市内で転居60万円対象外30万円
一方が市外から転入70万円15万円40万円
両者が市外から転入80万円30万円50万円
  • 新築住宅移転:引越費用の1/2(最大50万円)
  • 賃貸住宅移転:3か月分の家賃賃料、敷金、礼金、引越費用の1/2(最大50万円)

主な資格要件

  • 市外から転入した結婚後3年以内の子育て前の夫婦世帯
  • 転入・転居時点で夫婦とも40歳未満
  • 新築住宅、新築マンション、賃貸住宅へ住民票を異動した者
  • 市税を滞納していない

詳しくはこちら

全国:三世代同居・近居支援事業

子どもがいる世帯が、親元近くに住み替えて、同居や近居を始めるときの引越費用の一部を助成してもらえます。引越費用ではなく、リフォーム費用や住宅取得費用を助成してもらえる自治体もあります。

助成額

  • 広島県広島市:引越し費用等の1/2(上限10万円)
  • 岐阜県大垣市:転居費用の3/5(上限6万円)
  • 高知県安芸市:引越費用と賃貸借契約の際に要する仲介手数料(上限20万円)
  • 千葉県千葉市:住宅新築費用・賃貸借契約費用・引越費用の1/2(上限50万円)

この他にも多くの自治体で「三世代同居・近居支援事業」として、引越し費用を助成してもらえます

主な資格要件

  • 親、子、孫などの三世代以上で構成される世帯であること
  • 新たに親世帯と同居または近居すること
  • 他の公的制度による助成等を受けていないこと

福岡県八女市:若年世帯引越費用等支援補助金

八女市の非賃貸住宅に転入もしくは転居した若年世帯を対象に、引越費用等の一部を補助してもらえます。

助成額

  • 引越費用等負担額の1/2(上限10万円)

主な資格要件

  • 夫婦の合計年齢が80歳未満である世帯
  • 平成29年3月1日以降に八女市の非賃貸住宅に転入若しくは転居した世帯
  • 八女市に3年を超えて定住する意思がある
  • 世帯全員が市税などの滞納をしていない

詳しくはこちら

全国:若年世帯に対する引越費用補助金

対象地域に転入もしくは転居した若年世帯を対象に、引越費用等の一部を補助してもらえます。

助成額

  • 福岡県八女市(若年世帯引越費用等支援補助金):引越費用等負担額の1/2(上限10万円・非賃貸住宅)
  • 新潟県佐渡市(若者定住引越費用補助金):引越費用の1/2(上限5万円・引越経費が10万円以上であること)
  • 山形県神山市(若者移住引越し補助金):引越費用の1/2(県外:上限10万円・県内:上限5万円)

主な資格要件

  • 自治体が指定した年齢を満たす世帯
  • 自治体が指定する日以降に転入若しくは転居した世帯
  • 3年を超えて定住する意思がある
  • 世帯全員が市税などの滞納をしていない

全国:結婚新生活支援事業補助金

若者の結婚にともなう経済負担を軽減するために、新婚世帯を対象に引越費用や住宅取得の初期費用の一部を補助してもらえます。

助成額

  • 引越業者または運送業者に支払った引越費用
  • 住宅の賃貸初期費用のうち敷金、礼金、仲介手数料
  • 新居の購入費
  • 新居のリフォーム費用
  • 1世帯あたり最大60万円(夫婦ともに29歳以下・それ以外は最大30万円)

主な資格要件

  • 令和4年1月1日から令和5年3月31日までの間に婚姻届を提出した世帯
  • 婚姻届提出時点で、夫婦いずれも満39歳以下である
  • 夫婦の所得額の合計が400万円未満である
  • お住まいの市区町村が定める要件を満たす世帯

詳しくはこちら

全国:世帯住み替え支援事業

高齢者や子育て世帯がよりよい環境で暮らせるように、居住環境のミスマッチを解消するための住み替えにかかる費用を助成してもらえます。

助成額

  • 福岡県福岡市(子育て世帯住替え助成事業):引越し費用等の1/2(上限15万円)
  • 宮城県仙台市(若年・子育て世帯住み替え支援事業):最大25万円
  • 兵庫県神戸市(住みかえーる):10万〜95万円
  • 北海道砂川市(住み替え支援事業補助金):5万〜30万円
  • 千葉県船橋市(高齢者住み替え支援事業):引越し費用の合計(上限15万円)

主な資格要件

利用できる資格要件は実施している自治体により異なります。該当する自治体のサイトなどで、助成金額や要件をご確認ください。

全国:移住支援金

東京圏の一極集中を是正するために、東京23区もしくは東京圏に在住し東京23区に通勤している人の、UターンやIターンにかかる費用を支援してもらえます。

助成額

  • 単身:最大60万円
  • 2人以上:最大100万円(18歳未満者に対する加算あり)

主な資格要件

  • 直前の10年間のうち通算5年以上「東京23区に在住」または「東京圏に在住し東京23区へ通勤」
  • 住民票を移す直近1年以上「東京23区に在住」又は「東京圏に在住し東京23区へ通勤」
  • 移住先で地域の中小企業などへの就業(起業や移住前業務のテレワークも可)
  • 転入先の市町村に継続して居住する意思がある

詳しくはこちら

給付金や助成金で引っ越しするときの注意点

給付金や助成金を利用して引っ越しをするときには、下記のような注意点があります。

注意点
  • 先着や抽選などにより受給できないこともある
  • 税金を滞納していると利用できない
  • 申込期間が限られている
  • 後払いになることが多い

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

先着や抽選などにより受給できないこともある

引越しに関する給付金や助成金だけでなく、ほとんどの給付金や助成金には予算があります。このため受給条件を満たしていたとしても、必ずしも受給できるわけではありません。抽選になっている場合には当選した人だけが受給でき、先着の場合には年度末にはすでに募集枠が埋まっていることもあります。

このため、給付金や助成金はもらえない可能性も考えておく必要があります。最初から予算に組み込んでいて受給できなかったときには大きなマイナスになりますので、基本的にはもらえなかったときのことも想定して予算を組んでおきましょう。

税金を滞納していると利用できない

助成金や補助金のほとんどが、住民税や国民健康保険税を滞納していると利用できなくなっています。滞納していても申し込みができるケースもありますが、課税証明書の提出を求められることもあり、滞納していると課税証明書を発行してもらえない市区町村もあります。

結果的には多くのケースで税金を滞納していると利用できませんので、引越しに関する給付金や助成金を申請する前には、必ず税金を納めておきましょう。

申込期間が限られている

給付金や助成金に申込期間を設定している自治体もあり、その期間に申し込みをしない場合には、条件を満たしていても支援を受けることができません。1日遅れただけでも門前払いされてしまいますので、申込みをする前に申込期間を確認して、できるだけ早めに手続きを済ませましょう。

後払いになることが多い

自治体や給付金の種類によっては前払いしてもらえることがありますが、原則として給付金や助成金は後払いになっています。後払いの場合には、引越しにかかる費用を自分で支払い、給付金や助成金は引っ越しが終わってから支給されます。

お金がないから申し込みをしているのに、後払いなのは納得できないかもしれませんが、制度上そう決められている場合には従うしかありません。自分でお金を用意できない場合には、家族や知人を頼るか、カードローンなどを利用して引っ越し代金を工面しましょう。

離職や廃業で家賃を払えない人は住居確保給付金

引っ越しする理由が離職や廃業などで収入が途切れて、家賃を払えないというのであれば住居確保給付金を利用するという方法もあります。

住居確保給付金は市区町村が定める額を上限に、実際の家賃額を原則3ヶ月間(2回まで延長可で最大9ヶ月間)支給してくれます。

支給されている期間に転職や事業の立て直しをすることが目的ですので、引っ越しをするときに使えるわけではありません。むしろ引っ越ししないための給付金ですが、社会が不安定な状況では、いつ必要になるかわかりませんので覚えておくとよいでしょう。

対象条件

  • 離職や廃業後2年以内、もしくは個人の責任によらないで終了機会が減少したこと
  • 世帯の収入合計額が基準額と家賃の合計以下であること
  • 世帯の預貯金合計額が各市町村で定める額もしくは100万円を超えていないこと
  • 求職活動を行っていることこと

支給額

いずれの市区町村でも支給上限額が決まっており、支給額は住んでいる市区町村や世帯人数によって異なります。

世帯収入額が基準額以下の場合

住宅扶助額を上限に家賃額を支給。例えば支給上限額が5万円で家賃が6万円だった場合には、5万円が支給されます。

世帯収入額が基準額を超える場合

住宅扶助額を上限に「基準額+家賃額-世帯収入額」を支給。例えば基準額が11万円で、家賃が6万円、世帯収入が12万円だった場合、「11万+6万円-12万円」で5万円が支給されます。

支給期間

原則3ヶ月
※必要に応じて2回の延長が可能で、最大9ヶ月間受給できます。

手続きの流れと支給方法

  1. 申請者が生活困窮者自立相談支援機関へ相談・申請
  2. 生活困窮者自立相談支援機関が自治体に申請書を送付
  3. 自治体から生活困窮者自立相談支援機関へ決定通知送付
  4. 生活困窮者自立相談支援機関から申請者へ決定通知送付
  5. 賃貸人に家賃の支給(代理納付)

支給方法は自治体から賃貸人への代理納付になります。申請者へ支払われるのではなく、大家や不動産管理会社に直接支払われます。

まとめ

引っ越しにともなう給付金や助成金に関しては東京都が充実していますが、結婚新生活支援事業補助金や移住支援金のように全国の市区町村で展開しているものもあります。さらには移住や定住を促すための給付金を用意しているケースもあり、条件を満たせば数万〜数十万円も補助してもらえます。

これらを知っているのと知らないのとでは大きな違いがでますので、引っ越しが決まったら新居のある自治体のホームページで給付金や助成金が用意されていないか、チェックしておきましょう。自分が該当するかどうかわからない場合には、自治体に問い合わせてみてください。

また、リストラや廃業により家賃を払えなくなったから、家賃の安い場所に引っ越ししなくてはいけないような場合には、住居確保給付金を使って引っ越しをせずに立て直しを図ることも可能です。数ヶ月の猶予で立て直せる可能性があるなら、生活困窮者自立相談支援機関に相談してみましょう。

このような給付金や助成金は政策や予算によって変わりますので、ここでご紹介したものも必ずしも毎年行われるわけではありません。利用するつもりだったのに、年度末が近くなり定員を達成したので、募集を締め切っているケースもあります。最初からあてにするのではなく、あくまでも補助的な位置づけに考えておき、引越予算は給付金なしで組んでおきましょう。