単身引越は3万円で引越しできる?格安引越しでの失敗例と注意点を解説

引越しはとにかくお金がかかる人生のイベントのひとつです。賃貸物件に引越しする場合には初期費用がかかりますし、家を購入する場合にはさらに高額な費用がかかり、新しく買いそろえる家具や家電まで計算に入れると、単身引越しでも数十万円は必要です。

そうなると引越料金はできる限り安く抑えたいところですが、あまりに安すぎる場合にはさまざまなトラブルを引き起こす可能性があるため、気をつけなくてはいけない点がいくつもあります。そこで、ここでは格安引越しをするときによくある失敗例とその対策について、ご紹介していきます。

単身引越しなら予算3万円以下でも引越しできる

それではまず、単身引越しを引越業者に依頼したときに、どれくらいの費用になるのか、実際に引越しをした人の平均値を見ていきましょう。

レンタカーでの引越しと単身引越しを比較する前に、まずは単身引越しの費用がどれくらいになるのか見ていきましょう。以下の料金相場は引越し宣言で集計した料金を元に作成しております。

●通常期(5月〜1月)

 荷物少ない荷物多い
都道府県内50km未満32,302円41,116円
同一地方200km未満41,945円51,090円
近隣地方500km未満53,321円72,971円
遠距離地方500km以上67,257円91,109円

●繁忙期(2月〜4月)

 荷物少ない荷物多い
都道府県内50km未満44,568円56,745円
同一地方200km未満57,317円74,398円
近隣地方500km未満74,398円97,894円
遠距離地方500km以上88,592円122,774円

さすがに2月から4月までの繁忙期は3万円以下での引越しは難しそうですが、通常期であれば荷物が少ない人は50km程度までなら条件次第では3万円の予算で引越しできそうです。

荷物が多い人も、搬出・搬入がしやすい物件への引っ越しなら、3万円以下で対応してもらえるかもしれません。

とはいえ、安くなるなら値引き交渉をがんばって、さらに安くしたいと考えている人もいますよね。もしくは200km程度の移動距離になる引越しや繁忙期の引越しも、3万円以下にしたいという人もいるはずです。

実際に1万円台で近隣への引越しをしたという口コミもありますので、できることなら徹底して安さを追求して、格安料金で引越ししたいところです。そこで次章では、引越料金を限界まで安くする方法についてご紹介していきます。

引越料金を限界まで安くする方法

引越料金が3万円なら単身引越しでも十分に安いのですが、できることなら1円でも安くしたいという人もいるかと思います。ここではとにかく低予算で引越ししたいという人のために、引越料金を限界まで安くする方法をご紹介します。

引越し作業しやすい物件を選ぶ

まず重要なのが家財の搬入しやすさです。まだ引越し先の物件が決まっていないという人は、引越し作業がしやすいかどうかという視点で、物件の絞り込みを行ってください。

  • 集合住宅の1階
  • 大きなサイズのエレベーターがある
  • 持っている家財を玄関から搬入できる
  • エントランスが広い
  • 建物の近くに引越しトラックが侵入できる

このように、搬入しやすい物件を選ぶことで、引越料金が安くなります。反対に階段しかない4階建ての4階のような物件は、搬入に時間がかかるので引越料金が高くなります。

引越作業のために理想の物件を諦める必要はありませんが、同じような条件の2部屋で迷ったときには、引越しのしやすさで選びましょう。

家財を思い切って処分する

家財の量は引越料金を決める大きな要素のひとつですので、引越料金を限界まで安くしたいなら、引越し前に家財をできる限り処分してください。

近場の引越しなら軽貨物車に収まるくらいまで減らし、遠方への引越しなら単身パックの専用ボックスに収まる量が理想です。

軽貨物車:幅・約140cm✕奥行き・約190cm✕高さ・約140cm

転用:赤帽公式サイト

専用ボックス:幅・約104cm✕奥行き・約104cm✕高さ・約170cm

転用:クロネコヤマト公式サイト
※専用ボックスはヤマトホームコンビニエンスのサイズです

軽貨物車に積載できれば、近場の引越しなら1万円台で引越しできます。専用ボックスに積み切れるなら、東京から大阪までを3万円台で引越しできます。とにかく安く引越しをしたいのであれば、軽貨物車に積載できる量にまで家財を減らしましょう。

通常期の平日フリー便を利用する

引越料金はいつ引越しをするかによっても変わります。料金が安いのは5月から2月までの通常期で、平日に引越しをするとさらに安くなります。しかも時間指定しないフリー便にすることで、休日引越しの半額程度まで料金を下げることも可能。

平日だと会社を休む必要があり、フリー便はギリギリまでスケジュールを組めないといったデメリットもあります。それでも不便さに見合うだけの割安料金を提示してもらえますので、どうしても休日でないと引越しできない場合を除き、平日のフリー便で引越ししましょう。

引越し一括見積もりサイトで業者選定する

引越料金には定価がありませんので、いかにして引越業者から安値を引き出すかが重要になります。安値を引き出すコツは「相見積もりにして複数の業者に競わせる」こと。そこでおすすめなのが引越し一括見積もりサイト経由での見積依頼です。

引越し一括見積もりサイトは1回の申し込みで、複数の業者に見積依頼できるサービスです。このサービス経由で見積依頼すると、業者はライバルがいることを前提にして見積もりを作るため、利益を出せるギリギリの金額を提示してくれます。

しかも、引越し一括見積もりサイトには地域密着型の格安引越し業者も登録しているため、大手引越し業者だけで相見積もりをするよりも、さらに安い見積料金を引き出せます。

予算3万円の格安引越しでよくある失敗例

お金がなくてとにかく安く引越ししたい。そういう人もいるかと思いますが、安さを追求しすぎて失敗するケースを口コミやブログなどでよく見かけます。そこで、ここでは3万円以下の格安引越しにこだわって失敗した例をいくつかご紹介していきます。

ムリな値引き交渉により作業品質が低下

A社の見積もりを持って、B社に

あなた

もっと安くなりますか?

と聞いて、そのB社の見積もりを持ってA社に

あなた

B社はこんなにも安くなりました。もっと安くなりますか?

といった値引き交渉を何度も繰り返した結果、料金は格安になったものの、引越し作業が低下したというのはよくある失敗例のひとつです。

  • 作業スタッフのモチベーション低下
  • 下請け業者への丸投げ

ムリな値引き交渉はこのような問題を引き起こします。

注意
安く引越ししたい気持ちはわかりますが、引越しの品質は料金に比例する傾向にあり、値引きしすぎると品質は必然的に下がってしまいますのでご注意ください。

引越し一括見積もりサイトの申し込み直後に電話が殺到

引越料金を下げるための定番になりつつある引越し一括見積もりサイトですが、申し込みをすると見積依頼した業者から、すぐに電話が掛かってきます。10社に依頼したら10件の着信があり、それぞれに対応していたら1件10分でも、対応に100分もかかります。

用事があって電話に出られないと、着信が鳴り止まなくて、精神的にまいってしまうことも珍しくありません。そうならないためにも、引越し一括見積もりサイトで申し込みをした直後は、1〜2時間は予定を入れないようにしましょう。

また、見積依頼は3〜5社程度に抑えてください。安値を引き出したいだけなら、見積依頼先は5社もあれば十分です。欲張って10社にも依頼すると、ストレスが増えるだけですのでご注意ください。

格安引越し業者に依頼したら運搬を手伝わされた

近場の単身引越しが1万円台でできると喜んでいたら、当日になって「1人では運べないので手伝ってください」と言われて、大変な思いをしたという口コミを時々見かけます。これは軽貨物運送業者に引越しを依頼したときによくある失敗例です。

軽貨物運送業者は1人対応が基本で、家財の重さによっては手伝いが必要になります。だからこその安さなのですが、それを知らないと「ひどい引越し業者だった」と後悔することになります。

格安の軽貨物運送業者に依頼するときには、基本的に家財の搬出、搬入の手伝いが必要です。重たい荷物を持てない人はオプションでスタッフを追加してもらうか、友人に手伝ってもらうなどの対策をしておきましょう。

トラックに積み切れなかった家財を置き去りにされた

格安の引越し業者に依頼したら、予定よりも増えてしまった家財がトラックに載らず、そのまま置き去りにされてしまったという失敗もあります。結果的に自分で運ぶことになったり、他の引越し業者にお願いしたりと、ムダな作業が発生して後悔することになります。

料金が安い場合には、金額に見合ったサービスしかしてもらえません。柔軟に対応してくれる引越し業者もありますが、それを期待していると失敗につながります。格安引越し業者を利用するときには、家財の量はできるだけ正確に伝え、増えたときには必ず事前に連絡しましょう。

トラブルを回避しつつ低予算で引越しするコツ

あまりにも安さにこだわりすぎると、引越しで失敗しやすくなることを把握してもらえたかと思いますが、そうなると今度は格安引越し業者を利用するのが不安になりますよね。そこで、最後にトラブルを回避しながら、低予算で引越しするコツをお伝えします。

  • 信頼できると判断した業者と契約する
  • 引越し業者とはこまめにコミュニケーションをとる

3万円以下の格安料金で引越しをしたいのであれば、この2点をしっかりと頭に入れておきましょう。それぞれのポイントについて、詳しく説明します。

信頼できると判断した業者と契約する

引越し一括見積もりサイトを使って業者選定するときには、見積もりを出してくれるまでの接客応対をしっかりとチェックしておきましょう。親身になって提案してくれる業者であれば安心して任せられますが、偉そうな態度だったり、強引さが目立ったりするようだとNGです。

実際に応対した結果、「この業者なら任せられる」と感じられた業者にお願いしましょう。もちろん見積料金が予算の範囲内に収まっていることを前提にしなくてはいけませんが、予算内に収まっているなら、そこからは値段ではなく、信頼できるかどうかで選定しましょう。

引越業者とはこまめにコミュニケーションをとる

引越業者と契約したら、あとはすべておまかせとするというのではなく、気になる点や変更点などがあれば、こまめに連絡してください。コミュニケーションの回数が多くなればなるほど、信頼関係が築かれていきます。

反対に「何とかなる」と思って連絡を怠ると、上記の失敗例のように、増えた家財を置き去りにされてしまうようなトラブルにつながります。

  • 予定していたよりも家財が増えた
  • 新居を下見したら搬入困難な場所があった
  • 追加で依頼したいことができた

このような、少しでも気になることがあれば、できるだけ早めに連絡しましょう。

また、作業スタッフも人間ですので、引越し当日にきちんと挨拶をしたり、笑顔での応対を心がけたりすると引越し作業も丁寧にしてもらえます。気持ちよく作業してもらえるように、こまめに「ありがとう」を伝えるのもおすすめです。

引越しは単身パック!おすすめの業者ランキング5選

まとめ

貯金がほとんどなくて、引越しにはできるだけお金をかけたくない。その気持ちはわかりますが、近隣への単身引越しなら相場でも3万円程度で、そこから値引きできても、1万円程度がいいところ。それなのにムリな値引き交渉をして、相手に不信感を与えても損するのは自分です。

引越し一括見積もりサイトを使って、平日のフリー便を利用するといった対策をして、相場よりも安くできたら、その料金で引越しするのがおすすめです。すでに格安料金なのですから、あとは業者が不満を感じることなく、運んでもらうことを優先しましょう。

引越しの品質や丁寧さは引越料金に比例します。引越料金を安くした結果、大切な家財が壊されたり、建物を傷つけたりされたのでは意味がありませんよね。3万円程度の格安引越しは「相場よりも少し安ければOK」くらいに考えておきましょう。