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フリーランスなどの個人事業主の場合、住民税を払っていると思いますが、引っ越しをしたときにその納税先がどうなるのか気になりますよね。住民税は年4回に分けて納付しますが、すでに2回払っているタイミングで引っ越しをしたら、残り2回をどう扱えばいいのでしょう。
会社員の方も普段は天引きされているものの、引っ越しをしたときに手続きをしなくても大丈夫なのか不安になりますよね。そこでここでは、引っ越しをしたときの住民税の取り扱いについて、分かりやすく解説していきます。
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引っ越しで迷わないための住民税基礎知識
それではまず住民税の基本について解説していきます。少し専門的な言葉も出てきますが、わかりやすく説明しますので、しっかりと付いてきてください。
特別徴収と普通徴収
住民税は1月1日から12月31日までの所得に対して発生する税金で、教育や福祉、消防・救急、ゴミの処理などの行政サービスに使われる税金になります。この住民税の納付方法は会社員(給与所得者)と個人事業主(給与所得者以外)で違います。
納付方法 | |
---|---|
会社員 | 特別徴収 |
個人事業主 | 普通徴収 |
会社員は特別徴収といって、勤務先の会社が給料天引きという形で毎月の給与から納税してくれます。これに対して個人事業主は普通徴収といって、自宅に送られてくる納付書を使い、一括もしくは年4期にわけて納税します。
ここではまず、会社員と個人事業主では納税方法が違うということだけ、頭に入れておきましょう。
住民税は1月1日に住んでいた自治体に納税する
住民税は1月1日から12月31日までの所得に対して発生します。そして翌年の1月1日に住んでいた自治体が納税先となります。例えば2021年の所得に対する住民税であれば、次のように考えます。
納付期間 | |
---|---|
対象期間 | 2021年1月1日〜2021年12月31日 |
納税先 | 2022年1月1日に暮らしている住所の自治体 |
会社員 | 2022年6月〜2023年5月(毎月天引き) |
個人事業主 | 2022年6月〜2023年1月(一括もしくは4回) |
2021年の所得に対しては、2022年1月1日に住んでいた自治体に対して住民税を払います。支払期間や納税方法は会社員と個人事業主で違いますが、いずれも2022年の6月から納税がスタートします。
もし2022年の8月1日に引っ越しをしたとしても、新しい住所の自治体に住民税を収める必要はなく、個人事業主なら手元にある納付書を使って住民税を収めればOKです。会社員も同じで、引っ越しをしても天引きされた住民税は旧住所(1月1日に暮らしていた住所)の自治体に納付されます。
いつから新住所で住民税を納付する?
引っ越しをしても、すでに発生している住民税については旧住所のある自治体に納付するのは理解できたかと思いますが、気になるのはいつから新しい住所のある自治体に納税するかということですよね。例えば2021年10月1日に引っ越しをしたとしましょう。
この場合には2022年1月1日に新住所で暮らしていますので、2022年6月から住民税を新住所のある自治体に納税することになります。もし2022年6月までに別の場所に引っ越しをしても、納税するのは1月1日に暮らしていた場所の自治体です。
1月1日に住民票がどこにもないときはどうなる?
1月1日に暮らしている自治体に住民税を納税するとなると、年末年始で1月1日に住民票が浮いている状態にあるとどうなるのか気になりますよね。
年末に転出届を出して1月1日に引っ越しをしたのに、まだ転入届を出せていないという場合には、旧住所と新住所のどちらに対して請求があるのでしょう?
この場合は転入届の「異動日」をいつにするかによって決まります。異動日を1月1日にすれば新しい住所で1月1日から暮らし始めたということになるので、住民税は新住所で納税することになりますが、異動日を1月2日以降にすると旧住所で納税する必要があります。
旧住所で納税する場合にも、個人事業主の場合はきちんと新居に納税通知書と納付書が届きますので安心してください。どちらに払っているかというのはそれほど気にする必要はなく、送られてきた納付書を使って納税すればOKです。
引っ越し後の住民税の手続きは不要
1月1日に暮らしていた場所で住民税を納税するのは理解してもらえたかと思いますが、では引っ越しをしたということに対する手続きはどうすればいいのでしょう?これは特別な手続きは必要なく、転入届を新住所の役所に提出すれば自動的に処理してもらえます。
もし転入届を出し忘れていると、いつまで経っても住民税は旧住所で払い続けることになります。もっとも転入届は引っ越しをしてから14日以内の提出が法律で定められていますので、住民税に関係なく引っ越しをしたらすみやかに手続きしましょう。
会社員は社内で手続きを済ませておこう
引っ越しをしても住民税の手続きは必要ありませんが、会社員の場合には必ず社内での住所変更手続きをしておきましょう。もしA市からB市に引っ越しをしたとして、住民票は動かしたのに会社に通知していなかった場合、旧住所で住民税を払い続けることになります。
引っ越しをした結果、以前よりも職場に近くなり、会社に黙っていれば通勤手当の差額分浮くと考えて黙っていたとします。住民税は給与支払報告書を提出された自治体で課税されるので、旧住所で納税することになりますが、実際には住民票が動いているので、会社が自治体から問い合わせを受けることもあります。
そこで会社は引っ越しをしたことを知るわけです。そうなると通勤手当の不正受給で咎められる可能性も考えられます。不要なトラブルを回避するためにも、社内での住所変更手続きもきちんとしておきましょう。
納税通知書が送られてこない場合には確認する
住民税はしっかりと管理されているため、転入届をきちんと出しておけば個人事業主の場合、納税通知書が6月に送られてきます。ただし、処理のミスなどで6月になっても新住所に納税通知書と納付書が送られてこないこともあります。
6月になっても納税通知書が送られてこない場合には、市役所などの役場に確認してください。滞納するつもりはないのに納付書が手元になくて納税できず、滞納扱いになってしまうと困りますよね。6月20日を過ぎても届かない場合には、役場の窓口か電話で問い合わせしましょう。
まとめ
住民税は取り扱いが複雑でわかりにくいため、引っ越しをするときに悩んでいる人もいると思いますが、基本的な考え方だけでも理解しておきましょう。
- 1月1日に暮らしていた住所のある自治体に支払う
- 手元にある納付書は前年分の納税なのでそのまま使ってOK
- 住民税の住所変更手続きは不要
- 会社員は社内での住所変更手続きをしておく
- 納税通知書が送られてこない場合には自治体に確認する
少なくともこれだけでも頭に入れておいてください。とはいえ、イレギュラーなトラブルが発生しない限り、滞納になったり二重請求されたりすることはありません。会社員は会社に任せて、個人事業主は送られてきた納付書を使って住民税を納付しましょう。
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