黒カビの除去方法のコツ!守るべき注意点とカビ取り洗剤に頼らない撃退法

風呂場で、窓辺で、玄関先で!温度と湿度さえあれば、家の中どこへでも湧いてくる忌々しい黒カビ。なかなかこすっても落ちないし、カビ取り洗剤はニオイがキツイし、お宅によっては汚染の範囲が広くて骨の折れる掃除なのではないでしょうか?

でも黒カビは、カビ取り洗剤と根性だけしか効果が無いわけではないのです!なるべくカビ取り洗剤に頼らず、家にも住人にも優しい掃除方法をご紹介いたします。

黒カビってどんなカビ?

あちこちに発生する黒カビ。まずは敵の正体を知っておきましょう。

とにかく家中の至るところに発生する

「黒カビ」とは「クロカワカビ」とも呼ばれ、家中のいたるところに存在します。

結露の多いところに生えるカビとしては代表的なカビで、その名の通り黒いカビを見かけたら、まず間違いなく黒カビといってもいいくらい、ありふれているカビです。

低温・乾燥に強くアレルギーの原因にもなるので、とにかく増やさないことが大切。浴室や壁にも生えますが、甘いものや野菜・カーテンや衣類にまで生えてくる事があります。

黒カビが病気の原因になる

黒カビが特に発生しやすい場所は、湿気のこもりやすい場所(風呂場など)、結露が発生している場所(窓やカベなど)、頻繁に濡れる場所(台所など)、エアコンの中などで比較的、掃除のしにくい場所で繁殖しやすいのが特徴です。

黒カビはカビ毒を発生させることはないのですが、喘息・アレルギーの原因になるといわれています。

黒カビの除去方法


黒カビの除去方法には、状況や場所ごとにコツがありますので、それぞれの箇所の黒カビ除去方法を紹介します。

水まわりには漂白剤と片栗粉

湿気の多い水まわりは、特に環境的に発生しやすい場所です。市販のカビ用スプレーも効果的ですが塩素系の漂白剤などで落とすこともできます。

カビが生えた部分に漂白剤を定着させた状態で時間を置く必要があるのですが、液体はカベに塗っても流れ落ちてしまうので、漂白剤を片栗粉に混ぜて塗り付けるという方法がとても効果的です。

「片栗粉6:漂白剤4」くらいの割合でしっかり混ぜるとペースト状になりますので、これを黒カビに塗り付けて5~10分ほど待ちましょう。

その後で濡れティッシュなどで拭き取れば黒カビ退治できているはずです。

重曹と酢を使ったカビ取り方法

お風呂のタイル目地などに黒カビが目立つときは、重曹と酢で落とすことができます。

水5:酢1の割合の酢水をスプレーに入れる
スプレーを黒カビにたくさんかけ、10分ほど漬け置く
歯ブラシでこすり、まだ黒カビが残っていたら重曹をかける
その上に酢水スプレーを再びかける
歯ブラシでこする

この方法で黒カビはキレイに落ちていることでしょう。

面倒だと思った方

上記で紹介した方法が家庭にあるものですぐにカビ撃退をする方法です。面倒だと思う方は手っ取り早く市販のカビ取り製品を使いましょう。

衣類や布についた黒カビの落とし方

衣類についてしまった黒カビは普通の洗濯で落とすことは難しいといわれています。

最も効果があるのは「塩素系漂白剤」なのですが色柄物は色落ちしてしまいますし、生地が傷みやすいので天然繊維には使えません。

色柄物には「粉末の酸素系漂白剤」が有効です。ウールや絹などの天然繊維は、粉末タイプでも生地が傷むので「液体タイプの酸素系漂白剤」がオススメです。

45度くらいの熱めの湯にいずれかの漂白剤を溶かし、服を入れて一時間ほど漬け置き洗いした後、天日干ししましょう。

カベや水が使えないところはエタノール

壁紙の黒カビには消毒用エタノール(薬局で購入できます)で対処できます。

黒カビにエタノールをスプレーして、硬く絞った濡れ雑巾で拭き、防カビ対策としてもう一度エタノールをスプレーします。

注意

エタノールはアルコールなので引火しやすいため、火の用心は充分に注意しましょう。

どうしても取れない黒カビには、水に濡らして硬く絞ったメラミンスポンジを使えばたいていの黒カビは落ちてくれます。

黒カビをキレイにしたのに、すぐに新しい黒カビが生えてくる場合は、壁紙の下に黒カビがビッシリと生えている可能性があります。

カベそのものに黒カビが生えてしまっている場合は塗装業者などに連絡していったんカベをキレイにし、壁紙を貼りなおす必要があるかもしれません。

漂白剤で窓枠のカビがスッキリ

黒カビを落すには時間をかける必要があるのですが、漂白剤をつけた場所をラップで密封すると本来よりも短い時間で黒カビを落とすことができます。

黒カビの生え具合によっては、落としきるのに数時間~半日ほどかかることもありますが、充分に放置したあと、きちんと拭き取れば元のキレイさに戻っているはずです。

黒カビ掃除をする際の注意点

カビ掃除の注意点は本当に重要なものばかりです。中には命にかかわるものまでありますので、ここでしっかり覚えておきましょう。

塩素系と酸性の洗剤を混ぜない

市販されている洗剤や漂白剤で「まぜるな危険」と表記されているものがありますが、それにもちゃんと意味があります。

注意

塩素系漂白剤は、別の漂白剤・洗剤(いずれも酸性タイプのもの)と混ぜると有毒なガスが発生し、とてつもなく危険です。(その毒ガスを吸って失明したり死亡してしまった方もいらっしゃいます)

洗剤の種類例
  • 塩素系洗剤:衣類用・台所用塩素系漂白剤・トイレ用・塩素系カビ取り洗剤など
  • 酸性系洗剤:トイレ用酸性洗剤・酢・クエン酸など

換気や肌の保護に気をつける

風呂場など、密封された状態でカビ取り洗剤を使うときは、必ず換気扇を回すなどして通気性を良くした状態で使い、絶対に原液を素手で扱わないようにして下さい。

万が一、手についてしまったら大量の水で洗い流しましょう。

カビのあるところに掃除機は使わない

黒カビは、浮遊する胞子が増殖に適した環境に付着すると、そこからスゴイ勢いで増えます。黒カビに適した環境を作らないことも大事ですが、カビの胞子をまき散らさないことも重要です。

特に黒カビの生えた部分を掃除機がけするということは、胞子をまき散らして、多くの場所に黒カビを大量に発生させる危険性を生みます。

長年使ってなかった部屋などは、漂白剤を含ませた雑巾がけから始めると良いでしょう。

そして掃除機の中でも黒カビは繁殖可能です。掃除機フィルター内をだいぶ交換していない場合、たいてい掃除機の内部でカビは繁殖してしまっているものです。

何も知らずにそのまま掃除機をかけると黒カビの胞子をまき散らすことになりかねませんので掃除機のフィルターはマメに交換しましょう。(高性能な掃除機だと、カビの胞子を排気しないものもあります)

黒カビの予防法


黒カビの除去が終わったら、すかさず予防をします。永遠に黒カビとサヨナラするためのコツは「とにかく温度と湿度に気をつける」です。

換気をし空気の流れを作る

家の中をカビから守る最大のポイントは「風通しの良さ」です。家の中全体の風通しを良くし、雨戸や二重サッシにするなどして、外と内の温度差をできるだけ少なくすることが重要です。

昔の木造家屋に比べて現代の住宅は気密性が高く、カビが発生しやすい状況を作ってしまっているのです。

気密性が高いだけではなく、外と内の温度差が大きく、結露ができやすいためますますカビが住みやすい状況です。

温度は20~30度がカビが発生しやすい温度です。浴室の場合、温度を下げるために浴室内に水をまいてから換気するとより効果的と思われます。

温湿度計をチェック

黒カビは湿気が55パーセント以下であれば、ほとんど増殖しないといわれているので、なるべくこまめに換気して発生を防ぎましょう。

雨の日に換気しようとすると、逆に湿度が上がってしまう可能性があるので、なるべく除湿機やエアコンを使って湿度調整します。

湿気が最大の敵!水気は即、拭き取る

温暖で多湿なことから「水蒸気の国」とも呼ばれる日本は、カビが繁殖しやすい条件が整っています。

住まいにも多大なダメージを与える黒カビを放っておくとカビがどんどん繁殖し、その家に住む人間の健康も害することがあるので、危険です。

浴室の場合、黒カビが餌としている石鹸カスを残さずにいれば発生を抑えられるので石鹸カスは水で洗い流しきりましょう。

黒カビの栄養源を残さないようにする

黒カビの発生条件は温度・湿度の他にも「栄養源」があります。

食品が一番の栄養源ですが、繊維・木材・ホコリなども栄養源となります。

「部屋の中の汚れ=栄養源」と考えられるので、黒カビだけにとらわれず、常に環境を清潔にしておくことも黒カビ予防には必要なことだといえるでしょう。

湿気の多い家に住む方には、黒カビ除去は果て無き戦いの日々ですが、精神的にも健康面でも無理をしないでやっつけていきましょう。

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