カビをエタノール・アルコールで除去する方法!消毒用と無水どっちが良い?

消毒用エタノールも無水エタノールも、簡単に手に入りとても安価で、扱いやすいものです。カビ取り剤を購入するよりお得ですし、一家に一つ常備しておくと、カビ取りだけではなく、さまざまな用途で使用することが可能です。エタノールでカビ対策しませんか?

エタノールとは?

アルコールの一種

エタノールとは、糖蜜やでんぷん質から作られる別名「酒精」と呼ばれ、お酒に含まれる成分です。エチルアルコール(CH₃CH₂OH)の構造式をもつ無色透明、特有の香及び味を有する液体です。

刺激性は濃度が高いときに強く、殺菌力は約80%の濃度において最も強いと言われています。ですから、消毒用エタノールがこの濃度に調整されています。ウォッカやホワイトリカーなどの度数の高いお酒も、消毒効果は低いものの、消毒用エタノールの代替品として使用する人もいるようです。

用途

エタノールは、消毒薬としてよく知られていると思いますが、その他には殺菌剤、燃料等として使われます。水をほとんど含んでいない純粋なエタノールもあるので、水が苦手な場所にも使うことができます。

また、水にも油にも溶けるという性質を持っているので、手作りの化粧品、エッセンシャルオイルを入れて、消臭スプレーや虫よけスプレーなどを作ることもできます。

カビの除去・予防に最適

エタノールは、局所的にタンパク質を凝固させるため消毒、滅菌としても使用されていますが、カビタンパク質も分解してくれるので、カビの除去には効果的なのです。

ただし、後述しますが、カビの黒い汚れを落とす漂白する効果はありませんので、注意が必要です。

揮発性(きはつせい)ゆえの幅広い用途

揮発性とは、常温常圧で液体が気体になりやすい性質のことを言い、エタノールは揮発性の液体です。

消毒用としても使用されますが、その揮発性のため霧吹き等で噴霧したとしても、ふき取りは必要がありません。また、水が使えない家電や、コンセント周りなどの掃除にも使用することができます。

エタノールの種類

消毒用エタノール

後から紹介する無水エタノールを、精製水で薄めたものを消毒用エタノールといいます。消毒用に最適な濃度は、4(無水エタノール):1(精製水)の割合で薄めた80%の濃度です。

無水エタノールは水が含まれると殺菌力を持つと言われています。医療現場でも、採血の際に採血針を刺す場所の消毒に使用しているのは、よく知られていますね。一般の人でも、薬局やドラッグストアで簡単にすぐに手に入ります。

無水エタノール

無水エタノールはほぼ純粋なエタノールです。それは、無水エタノールの主な成分であるエタノールが99.5%以上、水分が0.05%以下だからです。

ほぼ純粋のエタノールというと、濃度が高いので、殺菌作用が強いのかと思われがちですが、無水アルコールには殺菌作用はありません。

無水エタノールも薬局やドラッグストアで気軽に手に入るもので、多くは水や油で薄めて使います。ただし、薄める手間や消毒用エタノールより少し値段が高めなので、消毒用エタノールを購入する人が多いようです。

エッセンシャルオイルを作るときには、オイルと精製水が混じりやすいよう、無水エタノールを使用します。また、無水エタノールは、水分を0.05%以下しか含んでいないので、水が苦手な家電製品の拭き取り掃除に使用することができます。

テレビ、照明器具のカサやコンセント周りの拭き掃除等に適しています。掃除したいものに直接吹きかけるのではなく、布などに染み込ませて拭き取るようにしましょう。

さまざまな用途で使用する人は、消毒用エタノールよりも値段が高めですが、無水エタノールをおすすめします。

カビの除去・予防方法

ここからは、エタノールを使ったカビの除去方法について紹介します。

カビ部分を拭き取る

消毒用エタノールを購入して、霧吹きのついた容器に入れます。容器は、霧吹き部分のノズルだけでも100円ショップなどに売っています。

ただし、プラスチック容器だとアルコールによって溶けてしまう恐れがあるため、ガラスや陶器など溶けない素材を選びましょう。

4(無水エタノール):1(精製水)に薄めたものを容器に入れて使用・保存します。

表面カビ

まずは、表面のカビを拭き取ります。

エタノール

次に消毒用エタノールを吹きかけて殺菌します。

漂白剤

完全にエタノールが乾いてから、カビの黒い汚れを取るため、漂白剤をかけます。

カビができやすいところに、最後の仕上げにひと吹きすることで、カビができにくくなります。揮発性が高いので、ふき取らなくても大丈夫です。

特に、浴室のカビは一度カビ掃除をしても、すぐにカビができることはありませんか?

それは、天井にカビの菌糸が張り巡らせて、浴室中にカビの胞子を常に撒き散らしているからと言われています。ですから、天井のカビ掃除をすることを忘れずに行いましょう。

最近では、浴室の天井を拭き取るためのモップも販売されています。

モップの先や雑巾等にエタノールを染み込ませて、拭き取るだけで、その後のカビの発生の防止になります。

使用する際に4つの注意点

1.引火性がある

エタノールは、お酒の主成分で引火性があります。火の気のないところで使用しましょう。また密室した場所で、気体が充満しますので、換気を常にするようにしましょう。

特に、喫煙する方が家族にいるときには、近くでタバコを吸おうとしていないかなど十分、注意を配るようにしましょう。また、見た目は無色ですので、間違って飲んでしまうことも考えられます。

注意

ジュースのペットボトル等を再利用して消毒薬を入れると、水か何かと勘違いする事故もありますので、お子さんの手に届くところに置かない、「きけん」「アルコール」などと容器に明記する、使いきってしまうということが大切ですね。

2.揮発性

エタノールは揮発性の高い液体です。一度、カビ掃除用に別の容器に入れたものは、早めに使用してしまうようにしましょう。

密閉容器に入れておかないと、揮発してしまいますので、あまったものは密閉し、冷暗所に保管するようにしましょう。

また、一度開封したものは、開けて使用するたび、酸化し経年劣化しますので、プラスチック容器で販売されているエタノールは、使用期限内で使いきるようにしましょう。

3.漂白作用はない

漂白作用はエタノールにはないので、カビの黒い汚れを取ることはできません。まずは、表面のカビを拭き取るなど掃除をしてから、それ以上、カビが増えないよう、殺菌をします。

その後、すっかりエタノールが乾いてから、塩素系消毒薬で漂白し、カビの汚れを取り除きます。すっかりエタノールが乾かないまま、塩素系の漂白剤を噴霧しないようにしましょう。

4.その他

その他の注意事項についてまとめました。

  • エタノールはアクリル・スチロール・革製品、ニス・ワックスが塗られている床や家具などには使用できません。
  • 表面が溶けてしまいますので、アルコール耐性のものに、使用するようにしましょう。
  • 薬品同士を絶対混ぜないようにしましょう。有害なガスが発生する場合があります。口、鼻、目などの粘膜につかないよう気をつけましょう。
  • 消毒薬として手肌に使用する時に、毎日のように使う機会が多いと手荒れを起こす恐れがあります。
  • エタノールには水分を奪う性質があり皮膚の水分も奪ってしまうため、肌が弱い方や頻繁に使う方は注意しましょう。
  • インフルエンザウイルスには有効ですが、ノロウイルスなどには効きません。ノロウイルスには、塩素系漂白剤が有効です。

危険事項に気をつけてカビを撃退!

いかがでしたか?お風呂のカビは、お風呂の天井のカビが原因とも言われています。

どんなにカビを落としてもまた、すぐにできるのは、天井のカビを掃除できていないからではないかということです。

柄の長いモップにエタノールを染み込ませて拭き取ることで、カビ予防になりますので、是非試してみてほしいと思います。

使用するに当たっては、エタノールの性質を十分理解し、火気厳禁、換気励行等を心がけて下さいね。

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