本が多い引っ越しを安くする方法!1000冊以上の注意点と梱包のコツを解説

読書が好きで、気になる本があるとついつい購入してしまい、今では本棚に1,000冊以上の本が並んでいるという人もいますよね。私もかつてはそうだったので、並んだ本を見ているだけで気持ちが落ち着くというのはとても理解できます。でも、その本が引っ越しのときに悲劇を呼びます。

本以外の家財はほとんどないのに、引越業者に見積依頼したら相場の2倍の金額を提示されたというのはよく聞く話で、さらに引越作業が雑になるようなことも珍しくありません。そこで今回は引越業者に嫌がられない本の梱包方法や、引っ越しのポイントをご紹介していきます。

本が多いと引越業者が嫌がる理由

本が多い引っ越しは、引越業者にとっては「ハズレ」の現場になります。その理由は単純に本が重たいことにあります。ダンボールに本が詰め込んであり、1箱30kgくらいの重さになっていると、いくら力自慢の作業員でも簡単には持ち運べません。

そんなダンボールが10箱20箱もあったら、それが部屋に並べてあるのを見ただけで嫌気がさしてします。しかもそういう引っ越しに限って、エレベーターのない5階への搬入になっているなど、とにかくハードな引っ越しになるのは間違いありません。

ところが、引越業者の見積もりとしては、「ダンボール1箱につき◯円」というような計算をするので、ダンボールの中身が重たい本であっても、軽い衣類であっても変わりません。トラックの最大積載量を超えない限り、ダンボールの数が同じなら引越料金は基本的に同じです。

もちろん、本が多いからといって、手当がついて作業員の給料が増えるわけでもありません。作業員も引っ越しのプロとはいえ人間です。本が多いとわかったら不機嫌になることもありますし、搬出搬入で疲れてしまって作業が雑になることもあります。

引っ越しを依頼する側からしたら、知ったことではないと思うかもしれませんが、本が多い引っ越しで最終的に損をすることになるのは依頼者です。理不尽な思いをすることもあるかもしれませんが、このような背景があることを頭の片隅に置いておきましょう。

高額見積もりはお断りのサインであることも

本が多い引っ越しを依頼したら、相場よりもはるかに高い金額を提示されることがあります。その理由は大きくわけて2つあります。

  • トラックの最大積載量をオーバーした
  • 面倒だから引き受けたくない

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

トラックの最大積載量をオーバーした

本が多い引っ越しの場合、運搬する家財の総重量が、通常使っているトラックの最大積載量を超えることがあります。

たとえば単身引越で、通常なら2tトラックで問題なく運べる家財量なのに、本が多いことにより2tトラックの最大積載量をオーバーしたとしましょう。そうなると引越業者は、法令違反をするわけにはいきませんので、3t以上のトラックを用意することになります。

従来よりも大きいトラックを使うわけですから、相場よりも見積金額が高くなるというわけです。

面倒だから引き受けたくない

そもそも「引き受けたくない」という理由で、相場よりもはるかに高額な金額を提示してくることもあります。大手引越業者ではほとんどありませんが、中小の引越業者の場合、現場が本の多い引っ越しをNGとしているケースもあり、高値を提示して間接的にお断りしているわけです。

お断りしているつもりなのに、依頼されたらどうするの?と思うかもしれませんが、もし依頼があっても、引越料金を高く設定しているので、アルバイトスタッフを1〜2名多めに雇えます。1人あたりの負担は減らせて、なおかつ利益も出るので引越業者にしては旨味があります。

ただ依頼者としては相場以上の金額を支払うことになるわけです。そうならないための方法については後ほど詳しくご紹介しますので、最後までしっかり読んでください。

引越し業者に嫌がられない本の梱包方法

引越業者が本の多い引っ越しを嫌っているのは、本が重たくて運びづらいからです。現場のスタッフが運びやすくなるように配慮しておけば、本が多い引っ越しでも丁寧に運んでもらえますので、ここでは引越業者に嫌がられない本の梱包方法について解説していきます。

小さいサイズのダンボールを用意する

本が重たくなるのは、大きなダンボールに大量の本を詰め込むからです。重たくならないようにするには、本専用の小さいサイズのダンボールを用意して、大量の本を梱包できないようにしましょう。幅40cm、奥行き30cm、高さ30cmくらいのサイズがおすすめです。

1.5〜2リットルのドリンクを運搬する用のダンボールも、本を運ぶのにおすすめです。近所にコンビニやスーパーがあるなら、それらのダンボールをもらえないか交渉してみましょう。

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ダンボールの重さは15kg以下にする

ダンボールを小さくしても、そこに本を詰め込むと20kgくらいの重さになります。普段から鍛えている作業員なら、20kgくらい問題なく運んでもらえるのでは?と思うかもしれませんが、引越業者の多くがアルバイトを雇って荷物を運んでいます。

注意点

そのようなアルバイトスタッフの中には筋力がなく、20kgも持てない人もいるので、本をダンボールに詰めるときには15kgを超えないように注意してください。

15kg以内なら、引越業者も文句を口にすることなく黙々と運んでくれます。

15kgといっても、毎回ダンボールの重さを計って梱包するのは面倒でしょうから、下の表を参考にして、1箱に詰める冊数で重さをコントロールしましょう。

重さ冊数(15kg)
文庫本150g100冊
コミック200g75冊
単行本300g50冊
※重さは目安です

ダンボールに「書籍」と記載しておく

ダンボールに詰めてしまうと、作業員には中身が何なのかがわかりません。衣類のつもりで持ったら本が詰まって重たくなっており、腰を傷めてしまう可能性があるため、本を入れたダンボールの見えるところに「書籍」と記載しておきましょう。

この他にも運びやすくなる梱包のコツがありますので、まだ本を梱包していないという人は、下記記事もチェックしておきましょう。

引っ越しのタイミングで本の管理方法を見直そう

本が多いという人は、引っ越しのタイミングで本の管理方法を見直してみるのもおすすめです。私もかつて2DKの1室が書庫のような状態だったところから、1Kのアパートに引っ越しすることになり、本の管理方法を見直した経験があります。

学者や作家のように、資料としてどうしても本を捨てられない職業の人は別として、多くの人は本当にお気に入りの本が数冊手元にあれば困ることはないはずです。そこでここでは、本の管理方法としておすすめの方法をご紹介していきます。

引っ越しに合わせて本を処分する

本が多いことで引越業者が決まらないというのであれば、思い切って本を処分しましょう。それが簡単なことでないことは重々承知していますが、どこかで処分しなければ、次の引っ越しではさらに本が増えているでしょうから、本当に身動きが取れなくなってしまいます。

新居に持っていく本を選ぶ
残りの本をブックオフなどで売却
買取不可の本は処分する

処分するときの流れはこのようになります。まずは新居に持っていく本を選定するのですが、上限を決めないと際限なく持っていくことになります。どうしても処分できない本はダンボール1〜2箱を上限にして選別しましょう。

次に専門性の高い本を、専門店で査定してもらいましょう。たとえばアイドルの写真集などであれば、アイドルグッズを買い取りしている店舗で査定してもらったほうが高く売れます。参考書や歴史書などは、しっかり査定してくれる専門店で売るようにしてください。

反対に小説や漫画などのように、大量に出版されている書籍はブックオフがおすすめです。買取金額は安いものの、本が多いならそれなりの総額になります。とても買い手が見つかりそうにない状態の本は、リサイクルごみとして自治体に回収してもらいましょう。

メルカリやヤフオク、Amazonなどでも販売できますが、手間を考えると引っ越しのタイミングでの利用はおすすめしません。もっと時間に余裕があるときの選択肢として活用してください。

おすすめの本買取サービスについてご紹介している記事がありますので、本を売りたいと考えている人は下記リンク先を参考にしてください。

【9月版】本の買取サービスおすすめ10選!高値買取する古本業者を徹底比較

電子書籍に切り替える

本を処分しても、新刊が出るとまた本が欲しくなりますよね。そういう人は電子書籍に切り替えてみましょう。「紙の感覚がいい」という気持ちももちろんわかります。私も「電子書籍なんて……」と思っていた側です。

でも書籍によっては紙媒体よりも安く購入できます。しかもスマホや専用端末ひとつで、数千冊の本を常に持ち歩けます。漫画でも端末に数百冊保存できて、インターネット環境があれば、いつでも好きなタイミングで本を購入できます。

誰にでもおすすめの管理方法ではありませんが、持っている本のほとんどが小説や漫画という人であれば、電子書籍との相性もいいので、引っ越しのタイミングで導入してみてはいかがでしょう。ちなみにスマホでも電子書籍を読めますが、本が好きという人は専用の電子書籍リーダーがおすすめです。

宅配型トランクルームに預ける

本は処分したくないけど、新居に持っていく本を減らさないことには引っ越しできない。そうなったときに検討してもらいたいのが「宅配型トランクルーム」です。宅配型トランクルームはダンボールに詰めた書籍を、1箱300〜500円/月で預かってもらえるサービスです。

本のサイズにもよりますが、コミックなら約100冊預けることができ、必要になったら1冊単位で自宅まで送ってもらえます。毎月コストが発生するので、大量の本を預けるのには適していませんが、500冊前後であれば毎月2,000円程度の管理費で預かってもらえます。

どうしても処分したくないけど、それほど頻繁に必要になるわけではないという本がある場合には、宅配型トランクルームを利用して本を保管しましょう。どの宅配型トランクルームサービスを利用すればいいのか判断できないという人は、下記関連記事を参考にしてください。

引っ越しで本を運ぶときの注意点4選

ここまでの説明で、引っ越しでは本が多いことが不利になり、できるだけ処分したほうがいいと理解してもらえたと思います。ただ、それでもやっぱり持っていきたいという人のために、ここでは引っ越しで本を運ぶときの注意点をご紹介します。

  1. 天気予報が雨ならビニール袋で保護する
  2. ダンボール上面に空間を作っておく
  3. 新居についたらすぐに荷ほどきして本棚に収納する
  4. 複数の引越業者に相見積もりする

引っ越しで本を運ぶときには、この4点をしっかりと頭に入れておきましょう。それぞれのポイントを解説していきます。

天気予報が雨ならビニール袋で保護する

本をダンボールに詰めて運ぶときに気をつけなくてはいけないのが、引越当日の天気です。晴れた日や曇りの日の引っ越しなら問題ありませんが、天気予報が雨になったり降水確率が上がったりしたら、すでに梱包済みの本も梱包し直してください。

そのままの状態でダンボールに詰めてしまうと、ダンボールが雨で濡れたときに本まで水浸しになってしまいます。雨が降る可能性が少しでもあるなら、本は必ずビニール袋に入れた状態で梱包してください。

もちろん1冊ずつビニール袋に入れる必要はありません。45リットルなどの大きなビニール袋の開口部を広げてダンボールに敷き、その中に本を並べていきましょう。

ダンボール上面に空間を作っておく

注意

ダンボールに詰めるときに、本が擦れないようにとダンボールいっぱいに本を詰め込む人がいますが、ダンボール上部まで本を詰め込むのはNGです。

必ず1cm程度の隙間をつくるようにしてください。そうすることで開梱時にカッターの刃で本を傷つけてしまうというミスを防げます。

ただし、空間を作ったままにしてしまうと、運搬するときに本が動いて表紙が擦れてしまいますので、使い古したタオルなどを緩衝材代わりに入れておくのがおすすめです。

新居についたらすぐに荷ほどきして本棚に収納する

本が多い引っ越しでやってしまいがちなのが、「落ち着いたら開梱して本棚に並べよう」として、長期間ずっと本をダンボールに入れたまま保管するということです。ダンボールは湿気を含みやすく、本の保管環境としては決して適しているとはいえません。

1〜2週間程度なら本が劣化することはありませんが、ついつい先送りして1年近くそのままにしてしまうなんてことも考えられます。その結果、本にカビが発生したり虫がついたりするなどのトラブルが発生するかもしれません。

引っ越し後はさまざまな手続きが必要で、開梱作業が後回しになりがちですが、せっかく新居に運んだ本がダメになってしまわないように、早めに荷ほどきをして本棚に収納しましょう。

複数の引越業者に相見積もりする

本が多い引っ越しは、業者によっては断りの意味を込めて相場よりも遥かに高い見積金額を提示してくることがあるのは、すでにお伝えしたとおりです。ただ、何も知らないとその金額が相場だと思って依頼してしまいますよね。

そうならないためにも、本が多い引っ越しは必ず複数の引越業者に見積依頼しましょう。そうすることで、高額な見積金額を提示している引越業者を選択肢から外せます。ただし、複数の引越業者に見積依頼するのは手間も時間もかかります。

そこでおすすめなのが、引越し一括見積もりサイトの活用です。引越し一括見積もりサイトは1度の申込みで複数の引越業者に見積依頼できるので、手間を掛けずに複数社から見積書を出してもらえます。しかも相見積もりになっている前提で見積金額を提示してくるので、どの業者も他社に負けないように相場よりも安値を提示してくれます。

ここで気をつけたいのが、当日になって見積金額から変更しないことを約束してもらうことです。そうしないと、大量の本を見て現場のスタッフが

引越し業者
引越し業者

これは追加料金がないと運べません

などと言ってくる可能性があります。それを防ぐために、見積書の金額から追加料金が発生しないことを約束してくれた業者に依頼してください。

まとめ

本が多い引っ越しは引越業者にとっては面倒な仕事で、業者によっては断る意味も込めて相場よりも高い見積金額を提示してくることもあります。引越作業も雑になってしまうこともありますので、ダンボールは小さなサイズのものを選び、1箱あたり15kg以下になるようにしましょう。

また、引っ越し本の管理方法を見直すのにも絶好の機会です。思い切って処分して電子書籍に移行したり、あまり読まない本を宅配型トランクルームに預けたりするという選択肢も検討してみましょう。

また、本が多い引っ越しは引越業者ごとに見積金額が大きく異なります。相場よりも高い金額を提示してくる引越業者を利用しないためにも、引越し一括見積もりサイト経由で複数の引越業者に見積もりを出してもらいましょう。