カビが発生しやすい温度とは?!6つの対策・予防方法について詳しく解説

暖かく過ごしやすい日が続いたかと思うと、傘が手放せない日も多くなってくるこの季節。カラッとした夏の前には、毎年ジメジメとした梅雨の季節がやってきます。

この時期悩ましいのは、カビ。せっかく買ってきたお気に入りのブランジェリーのパンには青カビ。浴室のタイルの目地には黒カビが。

掃除をさぼっていたらなんだかお部屋がちょっとカビくさい?なんてことも!まさに油断大敵。厄介なカビへの対策を見ていきましょう。

カビが発生しやすい条件

そもそもカビってどんな時に増えてしまうのでしょう。カビの胞子は小さくて、肉眼ではもちろん見えません。

「高温多湿」の環境がカビの増殖を助けることは広く知られていますが、

Aさん
Aさん

「梅雨だけじゃなくて冬もカビが生えて困る!」

「じゃあ冷蔵庫の中のトマトに白カビが生えるのはなぜ?」

などいろいろ疑問が湧いてきます。では、一つ一つ見ていきましょう。

温度は20~30℃

まずは温度計を部屋に置いてみましょう。カビが好むのは25℃前後の温度と言われています。これはダニと同じです。

カビはキノコと同じ真菌類で、ダニとはもちろん全く違いますが同じように20℃~30℃の温度を好み、増殖して人間を困らせます。

また、カビもダニもアレルギーの原因となるところも同じです。清潔で健康的な生活を送る上では、どちらもできればお目にかかりたくありませんね。

カビはある意味ダニよりもやっかいです。かゆくもならないのでなかなか気づかれないまま家じゅうにひそみ、空気中に胞子をまき散らします。

その上ダニと違い低温でも活動できます。冷蔵庫の中の食材にもカビが生えるのは、このためです。

湿度が60パーセントを超える

空気中の水分が高いほど、カビは増えます。

その時の気温で、空気中に含まれうる水分量(飽和蒸気量)を100として、実際に含まれている水分をパーセンテージで表したのが相対湿度(rh)です。

カビは、相対湿度が60パーセントを超えると、すごい勢いで増え始めます。

植物と同じように水と酸素と栄養があれば、ぐんぐん成長します。植物の根と同じ働きをする菌糸をのばし、栄養を吸い上げます。

逆に湿度が低いと繁殖できません。「じゃあカラッカラをキープすればいいの?」と思いますが、いえ、それも違います。

カビ同様人間の私たちが健康的に生きるためには、ある程度の湿度を保持する必要があります。

できたらお部屋に湿度計を置いて、59パーセント以下の相対湿度を保てるようにしましょう。

養分となる物質がある

カビはビタミンなどは自分で作ることができますが、カビのからだを作るタンパク質や炭水化物、アミノ酸などを生み出すために、養分を必要とします。

パンや野菜、ごはんなどの食べ物はもちろん、ホコリや浴室のタイルについた皮脂汚れ、石鹸カスなどからいろいろな養分を摂取して、増えていきます。

カビが発生したときの対策法


カビが生えてしまったら、いったいどうしたら良いのでしょうか。ここからはカビが発生したときの対策法について見ていきましょう。

こまめに換気を行う

カビが生えてしまったら、まずは部屋の窓を開けたり、換気扇を回してこまめに換気するところからはじめましょう。

カビは好気性だから関係ない?そんなことはありません。換気はカビ退治にとても有効です。目には見えないけれど部屋中にすでに舞っているであろうカビの胞子を外に追い出すことができます。

雨の合間をぬって、なるべく換気に努めるようにしましょう。

窓ガラスの結露はマメに拭く

窓ガラス

窓ガラスの結露はマメに拭きましょう!梅雨時だけでなく、冬でも窓際のカーテンの端や障子紙、窓の木枠などにカビが生えてしまったことはありませんか?

それは結露を放っておいてしまったせいかもしれません。

前述のようにカビが育つには水分と養分が必要です。

一生懸命掃除してもつい見落としてしまう窓際の隅にはどうしても埃が。そこに結露がたまるとカビにしてみれば養分と水がいっぺんに摂取できてしまうパラダイスです。

カーテンのカビはなかなかとれません。必死で落としましたがうっすらと残ってしまいます。木枠のカビはもっと大変です。キレイな状態に戻すには工事が必要になることもあります。

「うっかりカビ」を生やしてしまわないためにも、結露には年間通して気を付けたいですね。気が付いたら拭くように心がけましょう。

風呂場では熱湯をかける

お風呂

家の中で、一番カビとの死闘が繰り広げられる場所、といっても過言ではない「お風呂場」。

綺麗に掃除をしても、いつの間にかタイルの目地に黒カビが!毎日換気しても、風呂のふたのヘリに黒カビが!カビは容赦なく攻め込んできます。

カビにとってお風呂場は家じゅうで一番居心地の良い場所です。湿度はたっぷり、水分も養分も毎日補充されるのです。こんな良い場所はありません。

そんなわけで一度生えてしまったらしつこい上に、どんどん増えてしまいます。

浴室のカビに有効なのは、熱湯です。45度以上になるとしつこいカビも死滅します。

熱湯をかけると冷たい床やパイプにあたって冷めても60度以上をキープできます。

何日か続ければ、きっとカビをやっつけることができるでしょう。ですがくれぐれも火傷しないよう注意してくださいね。

熱湯消毒について詳しくはこちら
カビを死滅させる温度は何度?!アルコールと熱湯の消毒作用はどっちが上?

エアコンはこまめに掃除する

エアコン

エアコンのフィルターも、カビの温床になることもあります。湿気がたまりやすい上に、フィルターに付着した埃や油がカビの栄養源になります。特にダイニングやリビングのフィルターは要注意です。

いくら高機能のエアコンでも、それ自体がカビの胞子をまき散らす道具になってはたまりません。フィルターをこまめに掃除して、内部クリーン機能なども使いエアコンの中を清潔に保つようにしましょう。

除湿機を活用する

除湿機

雨が続くとやむを得ず部屋干しに頼る日が続きます。部屋干しをすると生乾きの嫌な臭いがしますよね。ジメジメした部屋中に菌が繁殖してしまいます。

湿度が高すぎるなと感じたら、除湿機を活用しましょう。上がりすぎた湿度を調節してくれるので、カビの増殖を抑えることができます。くれぐれも乾燥しすぎないように注意しながら活用していきましょう。

畳替えをする

畳

日本の心、畳。落ち着きますよね。でも気を付けてください。畳にもカビは忍び寄ってきます。

現在の日本家屋は昔の家と違い、コンクリートや建材によって畳に適した通気性が阻害されがちです。畳表の下は意外に湿度がこもってしまうものなのです。

気づくと裏は真っ黒!なんておそろしい事態になってしまうこともあります。

そういう時は思い切って畳替えをおすすめします。畳にしみ込んだ皮脂汚れなどは洗い落とすわけにもいきません。キレイな畳でカビにさよならしましょう。

カビの予防方法

カビが生えてしまったときの対策を見てきましたが、もちろんカビを生やしてしまわないことが一番です。最後にカビ予防の方法について見ていきましょう。

湿度60パーセント以下を保つ

カビを予防するには、なによりもまず湿度のコントロールが重要です。カビの好む湿度、60パーセントを超えないように心がけましょう。

60パーセントを超えてしまうような場合には、換気をしたり除湿機を活用したりして、カビにとって居心地の悪い空間を作るようにしましょう。

冬は加湿器を正しく使う

加湿器

冬も油断してはいけません。暖房を利用し、風邪が流行る冬には加湿器が必須のアイテムです。

しかし、加湿器を喜ぶのは喉や肌だけではありません。カビにとっても、加湿器の効きすぎた部屋は天国のようです。

我が家も子供が幼かったころ、暖房を使いすぎて部屋が乾燥するのを防ぐためにフル稼働で加湿器をかけていました。子供の風邪予防と肌のかゆみを抑えようとしたのです。

カビ対策にプラズマクラスターや空気清浄機まで入れた時もありました。それほど頑張って環境を整えたはずの部屋なのに、障子の隅にカビを生やしてしまいました。

家族の健康のために加湿器を使いすぎ、カビを生やしたら元も子もありません。加湿器は乾燥したときに短時間使い、暖房器を乾燥しないものに変えるなど工夫して湿度をコントロールしてください。

部屋の掃除を怠らない

カビを生やさないためには、湿度のコントロールに加えて、掃除をこまめにして清潔な部屋を保つことです。

掃除を怠るとすぐに埃がたまり、その埃や落ちた髪の毛、新陳代謝で剥がれ落ちた皮膚、気づかないほど細かな食べ物のカスなどを栄養にして、カビが増殖してしまいます。

忙しい毎日、ついつい掃除を怠けてしまうこともありますが特にこの季節は、いつもよりこまめに掃除するよう心掛けたいものです。

カビボ防止のポイントは湿度のコントロール

いかがでしたか?カビは家じゅうどこにでもひそんでいて、こちらを狙っているやっかいな存在です。でも、養分や水分を与えないようこまめに掃除をしたり湿度をきちんとコントロールすれば、カビの増殖を防ぐことができます。

お風呂掃除に熱湯をプラスしてみたり、加湿器や除湿機の使い方を少し見直したりしてカビとの長きにわたる戦いに終止符を打ちましょう!