【保険プロ監修】火災保険2021年1月から値上がり!保険料はなぜ上がる?

2021年1月から東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の4社が火災保険料を値上げしました。2020年に値上げをした保険会社もあり、多くの人が次回の更新をするタイミングで保険料が上がってしまいます。

人によっては保険料が30%以上も上がるケースもあり、火災保険の見直しも考えなくてはいけない状態になっています。そこでここでは、火災保険の保険料がなぜ上がるのかについて説明し、今回の値上げに対してどのように対処すればいいのかをお伝えしていきます。

火災保険の保険料が上がる理由

火災保険は契約者から集めた保険料を運用して増やし、いざ事故が発生したときには保険金として支払います。ところが事故が多発して、請求された保険金の合計が集めた金額を上回ってしまうと、無い袖は振れないということで保険会社は保険金を払えなくなってしまいます。

そうならないように過去のデータから事故の発生を予測して、保険会社が赤字にならないように考えて保険料を算出します。もし、事故の発生率が高くなると予想した場合には、十分な保険金を確保するために保険料をアップします。

そのような基本的な考え方を踏まえて、なぜ2021年に保険料が値上がりしたのかを詳しく解説していきます。

全国的に自然災害による被害が増加

毎年のように台風被害や洪水被害がニュースになっていますが、このような被害が急激に増えたのが2018年です。2011年から2017年までは保険会社が支払う保険金は、200億円から4,000億円程度でしたが、2018年には台風と豪雨により1兆5,695億円にまで膨れ上がりました。

2018年だけが特別だったわけではなく、2019年も2兆円を越えると予想され、2020年も熊本県を中心とした南九州で大きな水害が発生しています。このように想定を大きく上回る自然災害が発生しており、これだけの金額を補償するとなると、保険料を上げる必要があったわけです。

決して保険会社が儲けるために値上げをしたわけではないということを、まずは頭に入れておいてください。

損害保険料率算出機構が参考純率を値上げ

今回の値上げは災害リスクの増加が原因ではありますが、直接決め手になったのは損害保険料率算出機構が参考純率を引き上げたことにあります。損害保険料率算出機構というのは、保険料率算出や自賠責損害調査など行い、見えないところで損害保険を支えている組織です。

画像参照:https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/

火災保険の保険料率には純保険料率と付加保険料率の2種類があります。

純保険料率:保険会社が支払う保険金に充てられる
付加保険料率:保険会社を運営する経費に充てられる

多くの保険会社が純保険料率として、損害保険料率算出機構が算出した参考純率を採用しています。その参考純率というのは毎年検証が行われ、必要に応じて改定されます。直近では2019年10月に金融庁長官への届出が行われており、今回の値上げはそれに応じる形で実施されました。

値上げは更新のタイミングで発生

4つの保険会社で2021年1月に保険料が上がってしまいましたが、値上がり対象の火災保険に加入している人が気になるのが、どのタイミングで値上げの影響を受けるのかということですよね。もしかしたら今の火災保険も、追加で保険料を払わなくてはいけないの?と不安になっている人もいるかもしれません。

丸尾

安心してください。現在加入中の火災保険はすでに契約を結んでいるものなので、保険料が上がって追加分を請求されることはありません。保険料の値上げが影響されるのは、火災保険を更新するタイミングです。このときに新保険料が反映されます。

ただし、火災保険の契約期間が10年でまだ加入したばかりという場合には、今後さらに火災保険料が変更される可能性があります。値下がりするケースもありますので、必ずしも保険料が上がるわけではないということを頭に入れておきましょう。

更新すると保険料はどれくらい上がる?

保険料が上がるのは更新するタイミングですので、まだしばらく関係ないという人もいるかと思いますが、それでもどれくらい保険料が上がるのか気になりますよね。今回の保険料の改定には大きくわけて2つのポイントがあります。

  • 平均で4.9%の引き上げ
  • 築年数が浅い住宅(築浅住宅)に対する割引の導入

火災保険料そのものは平均で4.9%ほど上がりますが、実は値上げされるだけでなく地域によっては値下げも行われます。そして、築年数が浅い住宅に対しての割引制度も導入されるため、そもそも値上げになるか、値下げになるかは地域や築年数によって変わってきます。

地域ごとにどれくらいの変更があったのか、そして築浅物件がどれくらい割引されるのかについてそれぞれ詳しく解説していきます。

地域によって値上げ率が違う

今回の火災保険参考純率改定では、平均で火災保険の参考純率が4.9%引き上げられますが、全国一律で上がるのではなく、被災リスクの高さによって上がる地域と下がる地域があります。最も上がるのはこの数年で自然災害が集中している熊本県で、反対に災害が少ない静岡県は保険料が値下げになります。

東京都と熊本県、静岡県それぞれの改定率を見ていきましょう(保険金額:建物2,000万円、家財1,000万円)。

東京都熊本県静岡都
M構造+1.4%+24.1%3.8%
T構造+4.9%+24.7%-6.8%
H構造+0.1%+31.3%-15.9%

そもそもの保険料が高い東京では値上げ幅はそれほど大きくなく、これまで保険料が安かったのに、この数年で自然災害の発生が多発している地域の保険料が大幅に上がっています。一方で静岡県では全面的に保険料が下がっており、地域によって明暗が分かれる結果となっています。

築浅物件には割引を導入

最近は住宅性能が上がっており、築浅物件は水漏れ損害などのリスクが低いということで、築浅物件ほど割引になるように買入されています。どれくらいの割引になるのか見ていきましょう。

築5年未満:平均28%の割引
築5年以上10年未満:平均20%の割引

割引は都道府県や構造などの契約条件によって違いますが、築5年未満であれば平均で28%も参考純率が下がります(家財を除く)。実際に支払う保険料は保険会社によって違いますが、新築物件や築5年程度であれば保険料が下がりやすく、条件次第で大幅値下げになります。

ただし、現在すでに火災保険に加入しており、10年契約を結んでいる場合には築年数はすでに10年経過しているかと思います。この場合には、築浅物件の割引はあまり期待できません。これから家を建てる人や、築浅物件を購入するという人にメリットがある改定になります。

自分の火災保険がどうなるのか保険会社に問い合わせしよう

ここまでの説明で分かってもらえたかと思いますが、保険料が上がるのか下がるのかは人によって違います。値上げと聞いていて焦っていたら、実は値下げされていたなんてケースもありますので、新しい保険料を知りたい場合には、保険会社の担当者に問い合わせしましょう。

もし保険料が下がるようであれば、契約期間中でも更新を検討してみましょう。契約期間の残りが短いのであれば中途更新をしたほうがお得になるケースもありますし、何よりも近いうちに自然災害が発生して、値上げする可能性も考えられます。自分で判断が難しい場合には、火災保険に詳しい人に相談してみましょう。

同じタイミングで地震保険も値上がり

実は2021年に値上げされたのは火災保険だけでなく、地震保険も値上げとなっています。火災保険の値上げは4社だけでしたが、地震保険はすべての保険会社が対象になります。こちらは全国平均で5.1%の値上げで、火災保険と合わせると10%も保険料が上がる計算になります。

もちろんこちらも地域によっては値下げになりますが、地震リスクの高い東京・千葉・神奈川ではそもそもの保険料が高いのに、さらに7.2〜10%の値上げとなっています。さらに長期割引率が下がっており、こちらも値上げに影響しています。

ただし、地震保険はどこで加入しても保険料は同じで、なおかつ火災保険とセットで加入する必要があるため、基本的には値上げに対してできるアクションはありません。更新するときに値上げになって焦らないように、値上げになっているということをきちんと覚えておきましょう。

保険料が高すぎると感じたら見直ししよう

今回の値上げで、更新後の保険料が大幅にアップした場合には、火災保険の見直しを行いましょう。すべての保険会社が値上げをしたわけではないので、保険を乗り換えることで保険料の値上げを回避できる可能性があります。

まずは現在加入している火災保険の新料金を確認し、次に他の保険会社(2〜4社)に対して見積依頼をしてください。複数社に見積依頼するのが面倒だという人は、火災保険の窓口の一括見積りサービスをご利用ください。1回の申込みで複数社にまとめて見積依頼できます。

丸尾

また、火災保険の窓口では保険選びのサポートも行っていますので、どの火災保険に乗り換えればいいのかなど、アドバイスいたします。保険料だけでなく補償内容の見直しなども合わせて提案いたしますので、保険料を少しでも抑えたいという人は、ぜひご利用ください。

まとめ

この数年続いている自然災害の影響で、保険会社は火災保険の保険料を上げる必要があり、地域によっては30%以上も保険料が上がるケースもあります。ただ、保険料が上がるからといって、火災保険を更新しないというのは避けましょう。

保険料の値上げは自然災害の増加が原因なのですから、自分が被災する可能性も高まっており、それに備えるという意味でも火災保険はとても重要です。保険料の値上げに対抗したいのであれば、まずは他社の火災保険への乗り換えを検討してください。

そのときに補償内容を見直すというのもおすすめです。リスクの低い補償内容をカットすることで値上げがあっても保険料が下がることもあります。また、今回はすべての地域が値上げしたわけではなく、災害リスクの低い地域は値下げしています。

更新すると保険料がどのように変わるのか気になるという人は、保険会社の担当者に問い合わせをして、確認しておきましょう。提示された保険料が高すぎて、保険の乗り換えを考えているという人は、保険選びにぜひ火災保険の窓口をご利用ください。