宅建士が教える不動産の無料査定ってどうなの?有料との違いを詳しく解説

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不動産を売却しようと考えたとき、まずは対象となる不動産がいったいどれほどの金額で売れるのか把握しなければなりません。

とはいえ、いざ査定を依頼しようとしたときに「無料査定」と「有料査定」のどちらにしたらよいのか、悩んでしまう人も多いですよね。

そこで今回は、不動産の無料査定と有料査定の違いや、内容についてまとめてみました。

ご協力頂いた宅建士
高橋友里恵◆宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。

不動産の無料査定と有料査定の違いとは

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前提として、不動産会社がする不動産の査定は基本的に無料です。

一方で有料査定も存在するものの、こちらは不動産鑑定士を通じて査定をする流れになります。

まずは、有料査定から見ていきましょう。

有料鑑定の内容と該当する3つの事例

先述したように、有料査定は不動産鑑定士によって行われます。

不動産鑑定士というのは国家資格のうちの1つで、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいた不動産の値付けを業としています。

そのため、不動産鑑定士は「不動産査定」や「不動産鑑定」といった仕事をすることによって収入を得ていることから、不動産鑑定士を通じた査定は有料となります。

そして、不動産のプロともいえる鑑定士が査定をするわけですから、当然無料査定よりも精度は高くなるといえるでしょう。

基本的に有料査定を依頼するケースとしては、以下の3つが該当します。

  • 遺産相続や財産分与においてトラブルが生じた
  • 法人間で不動産の取引が発生した
  • 賃料や立ち退き料で揉めたとき

それぞれに順に、見ていきましょう。

遺産相続や財産分与においてトラブルが生じたとき

遺産相続や財産分与においてトラブルが生じた場合、適切な不動産の価値がわからなければ、裁判で話し合いをすることができません。

そのため、不動産鑑定士に「不動産鑑定評価書」を作成してもらい、信憑性のある裁判資料として提出する必要があります。

法人間で不動産の取引が発生したとき

法人間、とくに関連会社間の不動産取引において、まれに不正な取引(脱税行為)がなされることがあります。

いくらどんなに親しい関係にあっても、不動産売買において不正取引があってはなりません。

そこで、第三者である不動産鑑定士に依頼し、適切な不動産価値を割り出し、その結果に基づいて取引を行います。

資料や立ち退き料で揉めたとき

賃貸契約において、賃料や立ち退き料で揉めたときも同様です。

こちらも裁判資料として「不動産鑑定評価書」を提出するケースがあります。

上述したように、不動産鑑定士による有料鑑定は主に裁判所や税務署に対する、信ぴょう性の極めて高い証拠資料を得るためのものだといえますね。

無料の不動産査定が持つ意味

有料査定と異なり、無料で行われる不動産査定は営業活動の一環としての意味合いが強くなります。

無料で査定を行い、それをきっかけに不動産の売買が成立すれば、不動産会社は仲介手数料を得ることができます。

そのため、あくまで無料査定は

宅建士

の査定をきっかけにあなたの不動産の売却をお手伝いします

といったスタンスが強く、見積書を作成してもらうためと考えるとよいかもしれません。

無料査定と有料査定の比較まとめ

さて、いままでにお伝えした無料査定と有料査定の比較を表にまとめてみたので、簡単に確認しておきましょう。

無料査定有料査定
査定する人不動産会社不動産鑑定士
特徴営業的側面が強い査定結果は
証拠資料となる
活用場面不動産売買時など遺産相続や法人間取引など

無料査定で用いられる3つの査定方法について

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不動産の無料査定においては、主に以下の3つの査定方法が用いられます。

● 原価法
● 収益還元法
● 取引事例比較法

一つずつ簡単に解説します。

原価法

原価法とは、いまある建物を一度取り壊して、再度同じ建物を建てようとするといくらかかるのかを求め、その価格から建築後の築年数と設備の老朽化に伴う価値低下分を差し引き、現在の価格を算出することをいいます。

上記において、もう一度建築するときにかかる費用を「再調達原価」といい、価値の低下分を差し引くことを「減価修正」ということも併せておさえておきましょう。

なお、原価法は国土交通省の「不動産鑑定基準」にも次のように記されています。

原価法は、対象不動産が建物又は建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効であり、対象不動産が土地のみである場合においても、再調達原価を適切に求めることができるときはこの手法を適用することができる。

収益還元法

収益還元法とは、不動産の収益性に焦点をあて、現在の価格を算出することを指します。収益還元法には

● 直接還元法
● DCF法

の2種類がありますが、DCF法は計算過程が非常にややこしいこともあり、実際は直接還元法を用いて求められることがほとんどです。

直接還元法は1年間の利益を還元利回りで割ることによって求められます。

たとえば、還元利回りが5%で1年間の利益が600万円、そのうち50万円が経費となる不動産の場合には

(600万円-50万円)÷0.05=11,000万円

と査定額を求めることができます。

取引事例比較法

取引事例比較法とは、該当不動産があるエリアと似たような状況下(周辺環境や家賃相場など)で実際に取引された事例を元に、査定価格を算出することを指します。

取引事例比較法を取り入れる際は、できるだけ複数の取引事例を参考にします。

また、似ている不動産の取引事例が見当たらない場合には、当然取引事例比較法を用いることはできません。

一般的な査定であれば無料査定で十分

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ここまででお伝えしたように、個人が不動産を売却しようとする場合、よほどこじれていない限りは無料査定で十分でしょう。

とはいえ、中には営業電話がしつこくかかってきたり、やけに高値で査定額をつけてくる悪徳業者もあるので、その点は注意が必要です。

そのため基本的には、実績がそれなりにある大手の不動産会社の中から、相性のいい会社を探すようにしましょう。

不動産の無料査定を依頼するにあたってはいくつか必要書類を準備する必要がありますので、また別記事にて詳しくお伝えします。