不動産を売ろうとあれこれ調べている方の中には、「不動産一括査定」といった文言を見かけたことがある人も多いかもしれません。
不動産一括査定は比較的最近登場したサービスで、基本的には完全無料で5~6社ほどの不動産会社にまとめて査定依頼をすることができます。
とても便利なサービスである一方、無料であることに疑問を抱いたり、悪い口コミを見かけて不安になったりすることも。
そこで、今回は不動産の一括査定における注意点についてまとめてみました。
高橋友里恵◆宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。
この記事の目次
不動産一括査定とは

冒頭でも軽く触れたように、不動産の一括査定とは1回の申込みで複数の不動産会社に査定を依頼をできるサービスのことで、その多くは無料で提供されています。
複雑な手続きは必要なく、申込み画面から数分あれば依頼が完了するため、忙しい人や不慣れな人には便利でしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する理由
一般的に、不動産の売却価格は「取引事例比較法」といった方法で算出されます。
取引事例比較法では、各不動産会社が直近で取引した不動産の中から、あなたが売却しようと思っている不動産と近いものを比較して査定価格を算出するものです。
宅建士
1つの不動産会社にしか査定を依頼しなかった場合、その会社が参考にした取引事例によっては実際の売却価格と大きな差が生じてしまう恐れも。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、そうした事態を避けることができます。
不動産一括査定の仕方
不動産の一括査定には、「机上査定」と「訪問査定」といった2つのやり方があります。
机上査定とはその名の通り外へ出ずに机上で査定価格を求めるやり方で、不動産の種別やエリア、築年数や駅からの距離などをはじめとした物件の基本情報をもとに「取引事例比較法」に基づいて算出されます。
実際に現地へ足を運ばなくていいことから、迅速かつ手軽に査定価格を求めることができる点がメリットといえるでしょう。
対する訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地まで足を運び、その目で確かめた情報をもとに査定価格を算出します。
そのため、机上査定より査定価格が出るまでに時間がかかりますが、査定価格はより正確です。
不動産一括査定における3つのデメリットとは

さて、なにかと便利な不動産一括査定サイトですが、そこには主に3つのデメリットが存在します。
- 査定額が実際の売却額と大きく異なる
- 個人情報漏洩の恐れがある
- 都市部以外は査定対象外となるケースがある
査定額が実際の売却額と大きく異なる
不動産一括査定サイトでは基本的に「机上査定」を用いて、査定価格を算出します。
先に述べたように、ある程度査定価格にバラつきが生じるものの、中には契約を取ろうとして不当に高く査定価格をつける業者も。
宅建士
不動産取引に慣れていない初心者ほど、査定価格が高いほうがいいのだろうといった思い込みが働きやすく、もっとも高い査定価格を出してきた不動産会社を選んでしまいがちです。
対策として、初心者には少しハードル高くなってしまいますが、査定された価格をいちど自分自身で適正かどうか確認することをおすすめします。
確認方法として国土交通省の「土地総合情報システム」を利用して、近い条件の取引事例を確認したり、スーモをはじめとしたポータルサイトで周辺の物件がいくらで売りに出されているのかチェックしてみてもよいかもしれません。
昨今では、そこまで不当に高い査定価格を提示する不動産会社は多くないものの、不動産の売却は重要かつ大きな人生イベントであることから、自分自身で確認する癖をつけておきましょう。
個人情報漏洩の恐れがある
不動産一括査定サイトに限った話ではありませんが、インターネットを通じてなんらかのサービスを利用した場合、個人情報が漏洩する恐れがあります。
自分の電話番号を教えた覚えはないサービスから、勧誘の電話がかかってきた経験がある方も多いですよね。
不動産一括査定サイトでも同じように、査定を依頼していない不動産会社から連絡がくる恐れがあります。
もしそのような電話がかかってきた場合は毅然とした態度で対応すると共に、最近のスマホでは指定した番号をブラックリストに追加できることから、ブラックリスト機能を使うのもひとつの手です。
個人情報をしっかり管理されてるサイトは以下のPマークを基準にすると良いです。

\情報情報を徹底管理/
都市部以外は査定対象外となるケースがある
不動産一括査定サイトではあらかじめ、依頼する不動産会社がそれぞれのサイトで決められており、中には都市部の不動産にしか対応していないケースも。
地方の郊外などにある不動産の査定を依頼したい場合は一括査定ではなく、訪問査定を個別に依頼したり、都市部以外の不動産も対象としている不動産売却 無料一括査定を利用するようにしましょう。
また、一括査定サイトの中には査定できる不動産の種類が限られているところもあるため、そのあたりも事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、不動産の一括査定を利用する場合の注意点や対策について、お伝えしました。
便利なサービスであることは間違いない一方で、いくつかの注意点が存在します。
今回ご紹介したリスクを念頭に置いた上で、不動産一括査定サイトを利用するようにしましょう。