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塩化ベンザルコニウムは幅広く医療現場や日常生活でも使うことができる消毒薬の一つです。あなたが使っている消毒薬も実は成分が塩化ベンザルコニウムかもしれません。
なんとなく使っている方も多いと思いますが、どのような菌やウイルスに効果があるのか知っておくことが大切です。
消毒薬には成分によって正しい濃度や使い方が決められています。ここで塩化ベンザルコニウムについて学んで、生活に役立ててくださいね。
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塩化ベンザルコニウムとは?
消毒薬には様々な種類がありますが、どのように使い分けたら良いのか、使い方は正しいのかと疑問に感じてはいませんか。
「塩化ベンザルコニウム」は逆性石鹸であり、
- オスバンS
- ヂアミトール
- ベンザルコニウム塩化物水溶液
などの商品名で 50%、10%、ほか低濃度の水溶液が市販されています。主に手指、粘膜、機器消毒の用途に使われています。
ここでは、医療機関だけでなく、市販でも購入できて幅広く用いられている「塩化ベンザルコニウム」について見ていきます。正しい使い方を学んで、衛生的な生活のために活用していきましょう。
陽イオン界面活性剤の一種
塩化ベンザルコニウムは殺菌作用のある消毒液でありながら、陽イオン界面活性剤でもあるので石鹸としての洗浄効果もあります。
この塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤は殺菌剤としてよく使われています。
水溶液は逆性石鹸
塩化ベンザルコニウムは日本薬局方収載医薬品であり、逆性石鹸というタイプになります。逆性石鹸というのは、陽イオン界面活性剤のことです。
ただし、石鹸という名が付いていますが洗浄力はほとんどありません。塩化ベンザルコニウム(オスバン・ヂアミトール)は主に殺菌・消毒に用いられています。
細菌の活性を失わせる
逆性石鹸はプラスに荷電しているので、マイナスを帯びたものへ引き寄せられます。
細菌やカビは、マイナスに帯電しているタンパク質やセルロースが主成分なので、そこへ逆性石鹸を近づけると、塩化ベンザルコニウムの陽イオン(プラス電子)が細菌やカビの細胞表面に強く吸着します。
そして、細胞膜表面のタンパク質やセルロースを変質させて細胞の構造を破壊し、活性を失わせるのです。
塩化ベンザルコニウムの効果・効能は?
塩化ベンザルコニウムは消毒作用だけではなく、いくつかの用途で使うことができます。効果と効能はどんなものがあるのでしょうか?ここでチェックしておきましょう。
消毒
塩化ベンザルコニウムはよく病院の廊下の手指消毒薬などに含まれています。手指や皮膚・医療機器・家具・医療機器・感染部分などを消毒する作用があります。
「逆性石鹸」や「オスバンS」、「ウエルパス」、「オロナインK」などの商品名で『50%・10%などの低濃度の水溶液』が消毒殺菌剤として販売されていて、歴史が長い消毒薬のひとつです。
怪我をしたときに使うだけではなく、感染防止に手指にシュッシュとして使うこともできる消毒薬なのです。
カビに対しての殺菌効果
真菌(カビ)・グラム陽性菌・グラム陰性菌に対する効果を発揮します。
しかしノロやインフルエンザなどウイルス全般・結核菌には効果がありません。薬局などでインフルエンザ対策として売られてしまっていることもあるのですが、インフルエンザウイルス自体を死滅させる能力はないのです。
消毒液はタイプによって効果がある菌やウイルスが違うので、用途に応じて使い分けましょう。
塩化ベンザルコニウムの便利な使い方として、「カビ退治」があります。カビ退治は専用の洗剤がなくても出来てしまうのですね。
カビを一度落としてから、乾燥した状態で、スプレーすると良いといわれています。使用濃度は10%希釈液であれば、浴槽などの風呂場には200倍とされているようです。
使うときは手袋やマスクも装着して、換気のよい状態にしておきましょう。
防腐剤
塩化ベンザルコニウムは防腐剤としても使われています。点眼薬やコンタクトレンズ洗浄液の汚染を防止して長期間にわたって使用できるように添加されていることがあります。
商品パッケージの裏を見ると、結構色んな製品に含まれていることがわかると思います。例えば、シャンプーやリンスなどの防腐剤としても入っていることがあります。
点眼薬では、防腐剤として塩化ベンザルコニウムが0.0025~0.01%、50~100μg/mlほど添加されています。
しかし、人によっては塩化ベンザルコニウムに過敏症を起こす人がいるので注意が必要となります。
塩化ベンザルコニウムの副作用や中毒症状は?
塩化ベンザルコニウムは正しく使わないと副作用や中毒症状が出ることがあります。注意すべき副作用などをここで確認しておきましょう。
過敏症
塩化ベンザルコニウムでは過敏症が起こることがあります。外用で使った場合でも、皮膚・粘膜の刺激症状、そう痒感、かぶれ、発疹などのアレルギー反応による症状がでることがあります。
掃除などに使用するときは、手袋やマスクなどを装着してなるべく皮膚に直接つかないように気をつけてください。
また、消毒などに使うときに、肌に合わない場合には使用を中止してください。
全身吸収による筋脱力
粘膜、創傷部位、炎症部位に長期間又は広範囲に用いた場合に、全身吸収したことで筋脱力がおきると注意が促されています。
通常、怪我した部分などの局所的に使うならばほとんど問題となることはないと考えられますが、長期にわたる場合には注意してください。
使用する場合は、適切な量を必要な期間に使用して、広範囲に使用する必要がある場合には医師に相談してください。
アレルギー性結膜炎などの目の病気
点眼液による反応としては、防腐剤として含まれている時にアレルギー性結膜炎、及び表在性角膜炎、上皮損傷、壊死性強膜炎などの目の病気が起きたとする報告があります。
人によっては塩化ベンザルコニウムに対する過敏症で、点眼薬を使ったときに目が赤くなったりかゆみが出たりすることがあり、これは主成分が問題ではないことがあります。
この場合は、塩化ベンザルコニウムの過敏症を疑う必要があります。
市販薬ではコンタクトレンズに塩化ベンザルコニウムが高濃度に付着するとレンズを変形させてしまう恐れがあるため、防腐剤無添加のタイプが売られています。
「ソフトサンティア」は防腐剤が入っていない点眼薬ですが、開封してから10日以上過ぎたものは使ってはいけないことになっています。
医療用の点眼薬でも、塩化ベンザルコニウムが防腐剤として含まれていないタイプもあるので、医師に相談して処方を受けるようにしてください。
消化管の刺激症状
消化管に対しては通常に使っている分にはほとんど影響することはありませんが、誤飲した場合に中毒症状がでることがあります。
- 口腔・粘膜刺激感
- 咽頭痛
- 上腹部痛
- 悪心
- 下痢
- 嘔吐
- 消化管粘膜の出血壊死
などの症状が報告されています。
間違って飲まないように、入れておく容器を工夫したり、小児の手の届かない場所に置くように心がけましょう。
呼吸・循環・中枢神経の症状
呼吸・循環・中枢神経の症状としては、誤飲した時などに、
- 呼吸困難(呼吸筋麻痺)
- 肺水腫
- 窒息
- 努力性呼吸
- 喉頭浮腫
- チアノーゼ
- 血圧低下
- ショック
- 痙攣
- 脱力
- 筋無力
- 眼調節障害
- 精神錯乱
- 不安感
- 不穏
- 昏迷
- 意識混濁
- 昏睡
などの症状が出ることがあるといわれています。
飲用したときに、摂取後1~2時間後に死亡することもあるといわれており、絶対に飲まないようにしてください。
通常、成人が希釈液を少量誤飲してもあまり問題とはならず、多くは速やかに回復するといわれています。
しかし、小児の場合であったり、高濃度液を飲んだ場合や、静脈注射や皮下注射などの非経口的に投与された場合は危険だとされています。
使用する際の注意点は?
原液のまま使用しない
塩化ベンザルコニウムを消毒などに用いる場合は、原液をそのまま使用しないようにしてください。
消毒液は適切な濃度で使わないと、十分な効果が得られないだけでなく、皮膚や器具などを傷めてしまうおそれがあります。
例えば、オスバンSという商品がありますが、市販されている段階ではベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム)10w/v%水溶液となっています。
しかし、このまま原液で用いると、濃度が高すぎて皮膚に刺激などを起こすだけでなく、十分な殺菌効果が得られないことがあるので気を付けましょう。
適用濃度を守る
使用する用途によって濃度が違うので、目的に応じて使い分ける必要があります。例えばオスバンSを用いる場合を例にあげて説明したいと思います。
手指の殺菌消毒
本剤を水で100~200倍にうすめた液(ベンザルコニウム塩化物0.05~0.1%溶液)で洗う。ガーゼやコットン、綿棒などを使いましょう。
怪我をしたときなどの創傷面の殺菌消毒
本剤を水で400~1,000倍にうすめた液(ベンザルコニウム塩化物0.01~0.025%溶液)で患部を洗うか、脱脂綿またはガーゼなどに浸して患部に軽く塗る。
また、衛生管理に身の回りの物の殺菌に使う場合は次の方法になります。
食器・器具類の消毒
茶碗、皿、コップ、ナイフ、包丁類、調理器具などは水洗いした後、本剤の200~500倍液に5分間以上浸した後水洗いする。洗面器などに希釈液をいれて漬けおき洗いするとよいでしょう。
家屋、乗物などの消毒
床、畳、家具、調度品、手洗場、浴槽、便所、座席、手すり、電話機などは、本剤の200~500倍液で清拭するか、または噴霧する。スプレー容器にいれてシュッとふきかけると便利ですね。
ごみ箱、冷蔵庫の消毒
本剤の100~200倍液を噴霧する。ゴミ箱の気になる匂いなどもシュッとふきかけて使えば楽なうえに、とても経済的ですね。
その他
食品工場、清涼飲料水工場、缶詰・製菓工場の施設、器具の消毒には本剤の200~500倍液を用いる。
例えば100倍に希釈するという場合、10mlを1Lの水に溶かすと100倍希釈液ができます。
また、200倍の場合は2倍薄くなって、5mlを1Lに溶かせば200倍希釈液になります。
付属のキャップなどで計量できれば、その商品の指示にしたがって薄めて使用してください。
微生物汚染を防止する
不適切な取り扱いにより微生物汚染を受けることになり、せっかく殺菌するつもりが効果が得られないどころか、不衛生な状態となってしまう恐れがあります。
使用期限を過ぎたものは、衛生的面や効果の面から問題が起きる可能性があるので使わないようにしてください。
また、汚れた部分を触ったガーゼやティッシュなどを原液や希釈した液のボトルに触れさせないように使うようにしましょう。
ボトルは蓋を開けたらきちんと閉めて保管しておきましょう。
誤飲を防ぐ
塩化ベンザルコニウムの経口毒性は高く、10%製品の成人致死量は10~30mLであるといわれています。
実際に塩化ベンザルコニウムを誤飲したことによる死亡事例が少なくないそうです。
誤飲してから対処するのではなく、誤飲をしないように防ぐことが何よりも大切です。
誤飲を防ぐには、手の届く洗面台や台所の洗剤の横などに原液のボトルを放置したり、子供が手の届くテーブルやタンスの下の方などに置いておかないようにするべきです。
また、希釈した液を、飲み物が入っていたようなペットボトルなどに入れておくのは非常に危険です。
消毒薬であることがわかるような容器に入れておくだけでなく、万が一飲んだときに大量にならないように小さな容器に保管しておくと良いでしょう。
万が一、誤飲してしまった場合は、胃洗浄など集中的な治療が必要となる場合もあります。速やかに医療機関へ受診するようにしてください。
目に入らないようにする
塩化ベンザルコニウムは添加物として点眼薬にも使われていますが、濃度が高いと目や粘膜に刺激を起こす可能性があります。
症状が重い場合には、眼科医の診療を受けたほうが良いでしょう。掃除に使うときには、ゴーグルやメガネを使うと安心です。
安心の塩化ベンザルコニウムをフル活用
塩化ベンザルコニウムは適切に使えば非常に優れた抗菌、抗カビ作用があり、身の回りの衛生管理に使いやすい成分です。
また、怪我などをした時にも1本持っていると消毒にも使うことができ、幅広く応用がきく優れものといえるでしょう。
とても便利なので、ご自宅に塩化ベンザルコニウムを置いておくと安心です。ぜひフル活用してみてくださいね。